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No.40

第40回 神戸研究所 研究倫理第一委員会 議事要旨

1. 日時 平成24年4月27日(金)10:00~12:30
2. 場所 理化学研究所神戸研究所 
    発生・再生科学総合研究センター
A棟2階 大会議室
3. 参加委員等
 
(委員) 北川 善太郎 委員長(京都大学 名誉教授)
上野 弘子 委員(広報メディア研究所 代表)
加藤 和人 委員(大阪大学大学院医学研究科 教授)
行成 靖司 委員(読売新聞奈良支局 支局長)
黒澤  努 委員(大阪大学医学部附属動物実験施設 准教授)

西川 伸一 委員 (発生・再生科学総合研究センター
幹細胞研究グループ グループディレクター)
松崎 文雄 委員

(発生・再生科学総合研究センター
非対称細胞分裂研究グループ グループディレクター)

   
(説明者)
小保方 晴子 (発生・再生科学総合研究センター

ゲノム・リプログラミング研究チーム 客員研究員)
高橋 政代 (発生・再生科学総合研究センター
 網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー)
堤 正好 (株式会社エスアールエル 学術企画部)
   
(オブザーバー) 竹市 雅俊 (神戸研究所 所長)
齊藤 茂和 (神戸研究所 副所長)
田代 聡  (神戸研究所 研究推進部長)
   
(事務局) 片山 敦 (神戸研究所 安全管理室長)
青島 達之(神戸研究所 安全管理室)
菊地 真 (神戸研究所 安全管理室)
4. 議事項目
   (1)報告事項  平成23年度研究実施報告
 (2)審議事項  ヒト由来試料を用いる研究計画に関わる審査(新規及び変更)
 (3)その他   トランスレーショナルリサーチについて
 (4)意見交換会 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」 の改定について
5. 報告事項について
 

1)平成23年研究実施報告について

事務局より平成23年度に実施された研究課題17課題について報告があった。このうち、15課題については経過報告として研究結果及び進捗状況の確認を、2課題については終了報告として確認した。なお、平成24年3月31日で研究期間満了となった2課題については期間延長の継続手続きを行った旨の報告があり、これを確認した。
 

2)平成23年度ヒトゲノム・遺伝子解析研究に係る実施調査報告について

   事務局より平成23年度に実施されたヒトゲノム・遺伝子解析研究に係る実地調査の報告があった。今回京都大学医学研究科の准教授に実地調査を依頼し、2課題については解析結果等の保管状況を重点的に調査した結果、適正に実施されている旨を確認し、1課題については実施前の準備段階であり、実施した場合の内容を確認した旨の報告があった。

3)ヒトES細胞使用計画変更について

   事務局より器官発生研究グループのヒトES細胞使用計画に係る研究者の追加3名及び削除1名について変更手続きを行った旨の報告があり、これを確認した。

6. 審議事項について
 

1)ヒト由来試料を用いる研究計画に関わる審査(新規)

受付番号:KOBE-IRB-12-04「ヒト末梢血からの幹細胞の作製」
研究実施責任者:ゲノム・リプログラミング研究チーム チームリーダー 若山 照彦

【概要】
研究実施者の小保方客員研究員より、ヒト由来試料を用いる研究計画の項目に沿って説明があり、ヒト由来試料の採取場所及び提供者の選択方法について質疑応答の後、審議が行われた。審議では、同意説明文書の同意撤回にかかる文言等についての確認が行われ、研究計画が妥当であり、また、同意説明文書についても適正であると認められ承認とされた。
質疑応答等詳細は以下のとおり

【質疑応答】
★ 材料(血液)は医療機関で採取する方法も考えられるが研究室で採血することに関し何か考えがあるのか。
説明者: 材料を迅速に実験に供するという意味で採血は研究室の医師が実施し、何かあれば、常駐する医師の判断に従って、迅速な対応を取るということで、安全性を担保することを考えている。
委員長: インフォームドコンセントには健常者から採る場合と、患者から採る場合の二つがあるが、健常者から採るという研究か。
説明者: そうである。
★ チーム内での採血についてはヒエラルキーを考えて頂きたい。マウスと違いヒトの末梢血はリンパ球の量が少ないことから何回も採血が必要になることが考えられるため配慮して頂きたい。
委員長: 重要な指摘であるが、十分に配慮すればクリアできる問題であるため少し仕組みを考えて頂きたい。
★ 成人から血液を採るとしたのは何か科学的な根拠があるのか。
説明者: 成人がいいということではなく、子供から採るのが難しいと考えられるため。
★ 臍帯血を使用する可能性はあるのか。最初のコンセントのみで再同意にいかないという問題もある。
★  再生医学の研究に使ってよいというインフォームドコンセントになっている。
委員長: 研究の進展により、試料は多い方が良い、色々な試料を使用したいということになる可能性があると思うため、試料については少し対象を広げた申請としておいた方が良いのではないかというアドバイスである。
★ 申請は「成人」と書いているが、委員会としては研究の様態からもう少し試料を採る対象が広がってもよしとしてはいかがか。
★ まずはすぐに手に入る材料で始めることを審議し、広げるという議論を別にやる方が良いのではないか。
委員長: 委員会でどこまで意見をするか、すみ分けが難しい。
★ テクニカルな話になるが、若年、老年は関係ないのか。
★ 年齢や性別の関係は気になるが、とりあえず、これで研究を進めて、後は進めながら試料を検討していくという方法もあると思う。

【審議】
説明者退席後、審査が行われた。

委員長: 問題はないと思うが、いかがか。
★ 血液を使用する研究なので適切な手続きを取れば、十分妥当な研究だろうと思われる。
★ 同意の撤回については、説明文書に「試料提供同意語に意思を撤回された場合は、その旨を申し出ていただいて結構です。この場合は、不利益はありません。」とあるが、十分か。
委員長: 同意の撤回については、ある程度の形、ルールができているので問題ないと思う。
★ この文書では、同意の撤回について、個別のケースを検討しているように見えない。細胞の樹立が終わった時点で撤回できなくなるという場合はないのか。
委員長: 現行の指針ではいつでも撤回ができる。ただ、撤回にも限界があるというルールが要る。それは指針にそういう構造があるので、(同意書に)細かいことが書いていなくても指針を見せることで問題ないと思う。
★ 匿名化した試料は撤回ができないのではないか。
委員長: できない。
事務局: 今回は連結可能匿名化である。
★ 計画書に研究室が来年移転することが書かれているが。
★ 移転先の施設が完全にできてないため、1年間は兼任を認め、理研で実施する。
委員長: 移転の際は、もう一回、共同研究計画を見なければならないが、今の時点では、理研で実施するという事で審議すればよい。
では、委員会としては、申請を承認してよろしいか。

《受付番号:KOBE-IRB-12-04「ヒト末梢血からの幹細胞の作製」について、申請書のとおり承認された。》

2)ヒト由来試料を用いる研究計画に関わる審査(変更:共同研究機関の追加)

受付番号:KOBE-IRB-12-05「網膜色素変性患者のiPS細胞由来視細胞の解析」
     KOBE-IRB-12-06「網膜色素変性の遺伝子診断および自己免疫の検出」
研究実施責任者:網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー 高橋 政代

【概要】
研究実施責任者の高橋プロジェクトリーダーより、ヒト由来試料を用いる研究計画の変更内容について説明があり、追加する共同研究機関の倫理審査体制ついて質疑応答があった後、審議が行われた。審議では、共同研究契約の体制等について確認する旨の指示があり、委員が確認、了承の上、手続きをとるという条件付き承認とされた。
質疑応答等詳細は以下のとおり

【質疑応答】
★ 中国の現状のヒト材料の倫理的な取扱いは、どのようになっているのか。

説明者: 懸念しており、当ラボに所属していた提供先の教授に限っている。非常に信頼できる方で中国でも、同じ網膜色素変性の患者の外来をもって、遺伝子診断もやっていきたいと言っている。

★ 提供先の大学の倫理規定は形は整っているのか。

説明者: そうである。眼科が非常に有名なしっかりとした大学であり問題ない。

委員長: 少し関連するが、共同研究契約がどのような形で結ばれるか、そして、そこから生まれた成果の帰属の問題、またその問題を理研としてどう考えるかは一番大きな問題である。

説明者: 現在、共同研究契約も進めているところである。契約に関しては、ベンチャー企業も作り、契約を非常多く取り扱っている。また、理研の契約と常にカンファレンスし、体制を整えている。

★ 中国温州学院には倫理委員会はないのか。

説明者: あると聞いているが書面は確認していない。

委員長: 相手の倫理委員会の決めたことを尊重し、我々が判断するため、ない場合にはこの方でよいかという問題になってくる。

事務局: 先方の機関の規程等にもよる。

委員長: 理研として、あるいは日本の方針として指針等で何かあるのか。相手の倫理委員会が判断しているという前提で共同研究関係を議論しており、ない場合はどうすれば良いかという問題である。

★ 申請書の項目で倫理委員会の有無について、「なし」となっている。

★ 共同研究の論文を書かれる場合には、投稿の際には必ず聞かれると思うが。

★ 分担のところは、そこまでは言われない。OKである返事はもらっているが大事なところでもあり確認する。

★ 患者由来のiPSか。

説明者: そうである。

事務局: 理研バイオリソースセンターの扱いでは、相手機関の倫理委員会の承認があることを求める手続きになっていると思われる。枠組みについて事務局で確認し、体制を連絡する。
委員長: それでは、審議に入らせていただく。

【審議】
説明者退席後、審査が行われた。

委員長: 共同研究契約関係、倫理委員会関係については体制を確認するということを承認の条件として考えさせていただく。それ以外の点は、問題はないと思うがいかがか。

事務局: 先方の体制について確認した上で委員に連絡することとしたい。

委員長: 国際交流、学術交流の進展として、いいモデルになって頂きたいと強く思う。

《受付番号:KOBE-IRB-12-05「網膜色素変性患者のiPS細胞由来視細胞の解析」、
KOBE-IRB-12-06「網膜色素変性の遺伝子診断および自己免疫の検出」について、共同研究先機関の倫理体制及び共同研究契約を委員が確認、了承の上、手続きをとるという条件付き承認とされた。》

7.

その他について
 

1)iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の臨床応用について

【概要】
網膜再生医療研究開発プロジェクトの高橋プロジェクトリーダーより、ヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞の臨床応用について進捗状況の説明があり、今後の展開について確認した。

 2)トランスレーショナルリサーチ倫理審査委員会について

【概要】
安全管理部研究倫理課よりトランスレーショナルリサーチにかかる理化学研究所の倫理審査の体制等について説明があり、審査委員及び方針について確認した。

8. 意見交換会 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」 の改定について
  【概要】
「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」 の改定について、株式会社エスアールエル、学術企画部の堤先生を招聘し、講義して頂いた。改定のスケジュール及び改定の概要について説明して頂き、改定の論点、審査ポイント等を確認した。
 

以上

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