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No74

第74回 神戸事業所 研究倫理第一委員会 議事要旨

1. 日時:令和2年4月3日 - 令和2年5月27日
2. 審査方法 書面審査
3. 審査参加委員等
 
(委員)

加藤 和人 委員 (大阪大学大学院医学研究科 教授)
上野 弘子 委員 (広報メディア研究所 代表)
黒澤 努 委員 (鹿児島大学共同獣医学部 客員教授)
永井 朝子 委員 (公益財団法人尼崎健康医療財団 市民健康開発センターハーティ21 所長)
野崎 亜紀子 委員 (京都薬科大学基礎科学系一般教育分野 教授)
林 知里 委員 (大阪市立大学医学部 准教授)
北島 智也 委員 (生命機能科学研究センター 染色体分配研究チーム チームリーダー)
濱田 博司 委員 (生命機能科学研究センター 個体パターニング研究チーム チームリーダー)

4. 議事項目
 

変更申請
受付番号:K2019-089
申請者:BDR網膜再生医療研究開発プロジェクト 杉田 直
課題名:『iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞の免疫原性解析』
変更内容:網膜色素変性患者の追加、網膜細胞の追記、患者血球細胞の保存の追加、一部共同研究機関の削除
概要:研究の進捗状況等に応じた研究実施期間の延長

審査過程
変更内容について、加藤委員長及び全ての委員による回覧審査(書面)が行われ、各委員による審査が行われた。委員からの質問があったため、事務局からのメールを介して申請者より説明がなされた。また、それに対する委員長及び事務局による補足説明が行われた結果、委員全員の了解が得られ、適正であると判断された。

審査詳細
〇2020/4/4→2020/4/14
審査結果 :条件を満たした上で適正と判断→適正と判断

★委員コメント: 
今回の変更は、当初から視野に入っていたと見るのが合理的であるようにも思われる。この点研究責任者の認識はいかがか。
重要な研究であろうことは十分に理解できるが、しかし患者を被験者として研究を進めることを、研究変更で認めていくということは、基本的にはあるべきでないと考える。研究責任者の考えを伺いたい。

★委員長コメント: 
杉田先生の研究はすべて細胞レベルで「拒絶反応」が見られるかどうかを検討するものと思う。患者さんに移植する予定の分化細胞(当初は網膜色素上皮細胞、今回の変更で網膜視細胞を追加)と、移植を受ける患者さんの免疫系細胞をシャーレ内で混合し、生体への移植の際の拒絶反応のような反応が、起こるか起こらないかとみるので。有名な網膜色素上皮細胞の移植の際に、この方法(つまりシャーレの中の細胞レベルでの検査)が、生体への移植の際の反応と一致するとみてよいということがわかったので、今回は、別途すでに国に申請している移植を伴う臨床研究で用いる分化細胞で、同じ実験をすることを計画されている。患者さんは直接細胞を移植されるわけではなく、血液を提供するだけである(後ろのほうに添付されているのは、本研究のものではなく、別途、特定認定再生医療等審査委員会で審査され、現在国で審査されている計画の説明文書である)。
シャーレ内の色素上皮細胞での実験であるもともとの計画に、今回視細胞を用いた実験が追加される部分が変更点である。私自身も当初理解するのに苦労したが、なんとか理解し、変更は承認できると考えている。

(事務局補足) 
本研究は元々網膜再生医療研究開発プロジェクトとその臨床研究実施共同研究先である**病院眼科(現・**センター病院)が、加齢黄斑変性患者に自家iPS網膜上皮細胞シートを移植、次いで他家網膜上皮細胞混濁液を移植するという臨床研究の実施に際し、事前にin vitroで拒絶反応を検査できないか?ということを検証するため基礎研究として立案されたのが始まりになる。今般の申請については、加藤委員長のご説明の通り本研究がこれら移植の臨床研究に大いに貢献したことから、新たな臨床研究(網膜変性患者への視細胞移植)の対象患者についても同じ手法を用いての拒絶反応試験を理研として提供して貢献したい(手法を確立した共同研究機関として)との内容になっていると、事務局では受け取っている。

〇2020/4/7
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/8
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/9
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/9
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/10→2020/4/16
審査結果 :条件を満たした上で適正と判断→適正と判断
〇2020/4/14
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/15
審査結果 :適正と判断

 

新規申請
審査委託課題(1)
申請者:**センター病院 杉田 直
課題名:『iPS 細胞由来網膜細胞の免疫原性解析』

審査委託課題(2)
申請者:**センター病院 万代道子
課題名:『iPS細胞由来網膜細胞移植による網膜変性疾患治療法の研究』

審査過程
新規研究課題の内容について、全ての委員及び加藤委員長による迅速審査(書面)が行われ、各委員による審査が行われた。委員からの質問があったため、事務局からのメールを介して申請者より説明がなされた。後日申請者より申請書の修正、ICの差替え等が行われ、各委員による確認後、適正であると判断された。

審査詳細
〇2020/4/4
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/7
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/8
審査結果 :適正と判断
★委員コメント:
(1)76ページ患者向けICで、「期間が2017年1月から2018年12月まで」となっているのは修正が必要では
(コメント対応)
・加齢黄斑変性の臨床研究における経過観察期は、2019年12月に再確法から観察研究に移行した(検査項目は変更なし)。誤って再確法時の説明文書(IC/審議資料2 P54~92)を提出してしまったため、観察研究の説明文書 (IC) を提出する。なお、免疫検査について明記していなかったので、観察研究のICを修正し、承認後差し替えで対応させていただきたい。
追記箇所:説明文書P3(拒絶反応や有害事象が疑われた際には、医師の判断により臨床検査(免疫原性試験等)を適宜実施することがあります。の文章を追加)

〇2020/4/9
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/9
審査結果 :適正と判断
★委員コメント:
(1)P3 「対象と人数」 診断が確定している25名は加齢黄斑変性患者と網膜色素変性患者それぞれに25名ずつなのか?あるいは合わせて25名なのか?
(1)P4 「採血量は15ml/回と記載されているが、その下に12mlとの記載もある。12mlは間違いか?」
コメント対応:
・P3 – 合わせて25名となる。
・P4 – 12mlは間違いで、15mlの統一となる。修正版の計画申請書を添付する。

〇2020/4/10
審査結果 :適正と判断
〇2020/4/14、4/15
審査結果 :適正と判断

委員長コメント:
(1)送付された研究計画書等のファイルの通し番号1ページの最下部、p53とあるが、p93の間違いと思われる。そうであれば問題なし。
(2)研究課題名「iPS細胞由来網膜細胞移植による網膜変性疾患治療法の研究」とあるが、本計画では治療に用いるための細胞について検討する研究と理解した。たとえば、「iPS細胞由来網膜細胞移植による網膜変性疾患治療法の開発のための分化細胞の解析」といった表現で、細胞の解析までが研究内容であることを示すのがよいのではないかと考える。
(コメント対応)
ご指摘いただいた点に加え、剤型、手術法などの検討もあるので、以下の通り修正、追記する。
【課題名】修正
旧「iPS細胞由来網膜細胞移植による網膜変性疾患治療法の研究」
新「iPS細胞由来網膜細胞移植による網膜変性疾患治療法の開発のための分化細胞の解析と移植剤型、手法、手技に関わる検討」 【研究方法】追記
「より安全確実な臨床研究を目指して、細胞加工物をシート、懸濁液、など異なる剤型で準備し、それらを挿入するための手技や手術器具の開発を合わせて行う。」

〇2020/4/15
審査結果 :適正と判断

 

以上 

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