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No82
第82回 神戸事業所 倫理審査第一委員会 議事要旨
1. | 日時:令和4年12月15日(木)14:00~15:10 | ||||||||||
2. | 場所:Web会議方式による | ||||||||||
3. | 出席委員等 | ||||||||||
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4. | 議事項目 | ||||||||||
(1) 委員長互選 |
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5. | 報告事項 | ||||||||||
1)委員長互選
2)人を対象とする研究計画の変更申請に関する承認/許可について 事務局より、第81回の委員会から今回までの間に迅速審査による承認・許可の手続きを執った研究計画の変更申請2件について報告があった。 事務局: 変更申請の方で、委員会に諮らずに承認・許可された2件について報告させていただく。責任者が別のラボに移られ所属の変更をした。4月の段階で所属が替わっており、変更申請を実施した2件となる。 委員長: 承知した。これは報告ということで。
3)指針改正に伴う規程等の改正について 事務局: 指針改正があったということと、それに伴って理研内の規程、規程細則等を変えたというお話をさせていただく。 委員長: 一言いっておくと、「匿名加工」というのは医学研究ではあまりなくて、いろいろな個人につながる情報、例えばゲノム情報でそれなりの長さのものがあればもう絶対にそれは個人につながるので、「匿名加工」にはならない。だから、どちらかというと、われわれが見ないといけないのは「仮名加工」の方である。 事務局: そうである。「仮名加工情報」は「他の情報と照合しない限り」ということで、他の情報と照合すれば特定の個人を識別することができるような情報というもので、「匿名加工情報」は個人情報に結び付くものを完全になくしてしまうので、そういうものは医学界ではあまり使われないと思う。 委員長: 正直言ってこの個人情報保護法の改正そのものがかなり細かく、それがさらに指針に反映されているので、全貌を詳細まで100%理解できる人が何人ぐらい日本にいるのだろうみたいな感じがあり、どちらかというと運用していってここはどうも大事な改正点に引っかかりそうだということがあれば、そのときに勉強して正しく審査ができるようにしていくという両建てでいくしかないかなと。指針を勉強するのだけれどもOJT的に押さえていくというような感じを思っている。 ★ はい。大変である。運用の中で解釈をしていく中で、私から見ると独自な解釈がされているのかもしれないなと思ったりもしているが、うちは厳しくなっている。 委員長: 要するに、個人情報保護という全個人情報を対象とする法律を、医学研究の現場にどこがどう当てはまるのかみたいな話を、結構議論になっていて、医学・医療独自の法律がもっとあるべきではないかという話はされているが、では、それが本当に作りやすいものなのかどうかというのも簡単ではないので、皆さん見ておかれるといいかなと。 ★ 一つ疑問があるのだけれども。今、臨床の場では、病院も、行政データも、地域のデータも、いろいろ臨床ベースでの統合がすごく進んでいると思う。個人情報を適切に管理した上で、そして行政の情報は特定の企業であれば情報を得られるという企業が二つか三つ、何か、指定されたところがある。データベースの管理であるとか、特定の事業の。 委員長: それは次世代医療基盤法? ★ そうである。そこなどが、臨床ベースのデータの方がデータ共有と活用も進んでいると思うが、一方で研究となると疫学研究も含め、指針を見ると厳しく管理されていて、臨床のところと協働するとその指針が緩くなるというか、ちょっと大ざっぱに何でも認められるみたいな感覚を持っているのだけれども、その辺は実際どうなっていくのだろうか。 委員長: あれは基本的には先ほどで言うところの「匿名加工情報」に近い、もう個人に戻れないような状態のものの話だと僕は理解しているが。次世代医療基盤法というのは。 ★ 行政データとなると、個人の名前や住所というものと結び付いた状態で、そしてそれを介入にも生かしていく。元々行政ベースの臨床は個人を対象とするよりか集団対象だったので、そんなに個人個人のデータは必要なかったのが、今はそれが集団から個人への介入がターゲットになっていて、個人へ介入していって、その経過も追ってデータも得るというような研究が、少し日本で計画されているという印象があるのだけれども、何かその辺が、法律となると私たちはもう全然よく分からないので、大丈夫なのかなと思う。 委員長: なるほど。なかなかこの委員会としては、自治体が行うような健康管理につながるような研究というのはあまり関わってこないので、例えばがん登録法(注:「がん登録等の推進に関する法律」 )などがあると、がん登録に関しては「個人情報保護法」は関係なくて、がん登録法の下での監督になるのでというふうに外れていくのだけれども、それが次世代医療基盤法というのでどれぐらい外れているのか分からないけれども、基本的にはこの委員会で扱うものは、完全に外れるものはまずないと思うので。 事務局: 所内規程に照らしてどうかというところをまず理研の中で審議して、最悪は処罰ということにはなるかとは思う。 委員長: 今度、調べておいてもらえないか。つまり法律として、法律が学術機関である理研を、対象となると言っているわけで。そうしたら法律がダイレクトに、例えば理研の研究者を罰することがあるのかどうかという。全国の他の組織にいる人たちにも同じ問いがあるわけなので、これに関しては全ての医学研究関係者にとっての問題で、まだ私はきれいに答えられない。 事務局: 承知した。 委員長: では、次の審査課題に入ることにさせていただく。 |
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6. | 審議事項 | ||||||||||
1)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(変更) 【概要】 委員長: 三次元で、トレーニング培養ということで。それで、細胞自体は次のページのiPSが理研から来たものなのか。 説明者: そうである。 委員長: 健常者由来のiPSも使っているのか。 説明者: 使っている。 委員長: 試料自体はもう承認している。未成熟というのは人間の場合にどのぐらいのイメージで、例えば胎児なのか新生児なのか。それから成熟というのはどの辺のイメージとお答えになられるのか。 説明者: 今回私たちが、例えば先ほどの組織を作る場合の期間は大体一月弱ぐらいになる。それは受精卵から考えると、一月というところになると、その段階では心臓の心筋層はまだ非常に未成熟で、自己拍動もまだ、始まったか始まっていないかというところになり、胎児期でもかなり早い段階ということになっている。そういうところなので、それでヒトの心機能を本当に見られているかというのは、以前からその点は課題にはなっているところではある。 委員長: 新生児というよりは、もうちょっと前の段階。それでも薬剤の検査ができるだろうという、できてみないと言えないことかもしれないが、そんなイメージでよろしいか。 説明者: 部分的には現状でもできてはいるが、そのあたりはやはりより成熟であった方が、よりターゲットとなるヒトの心臓に近いはずで。 ★ ヒトの生殖細胞のどこまで培養してよろしいかという、その倫理的な大問題が今見直されようとしているらしいけれども、説明者の説明だと、心臓のところだけを模しているとは思うが、今回は生殖細胞ではないため関係ないとしても、何かお考えがあればちょっと聞かせていただきたい。実際には研究をどこかでやめるのだと思うのだけれども、それは何か基準を持って、ここら辺以上でやめるとか、何かそういうのはあるのか。 説明者: 生殖細胞の場合はその議論がもう今必要だと思うのだけれども、このいわゆる体細胞に関しては、心臓もそうだが、まだちょっと技術的に全然追い付いていないというところではないかというのが正直な印象である。 ★ 承知した。 委員長: いわゆる胚発生を経由しているのではなくて、もう心臓の未熟な細胞が、ある意味いきなりできてきていて、だから組織を作っているわけだから、いわゆるヒトの胚を培養するという状況に似たことは起こらずに心臓ができているということで。 説明者: そういう理解で。特にiPSの場合はブラストシスト(胚盤胞)までしか戻らないというか、結局そこからもう一回分化に向かっているという感じなので。 ★ 先ほどのお話なのだけれども、脳は大体60日目ぐらいまでのオルガノイドができていると前にお聞きしたのだけれども、心臓の場合はもっと短いということなのか。 説明者: 実際は60日とか長くやればやるほど、ある程度より成熟に近いものができるのではないかと予想はついているが、ただ一方で、三次元的な培養をやるのは結構トリッキーで、長期にやるのが現実的に難しい。だから実際はあまりそこまで長期にできていないというか、一月ぐらいがちょっと限界みたいなところがあり、現状、技術的レベルとしてそういう状況かなという感じである。 ★ 30日程度のものであっても、ああいう物理的な動きを加えるとかなり、精度の良いものができるということなのか。 説明者: そこをこれから研究していきたいという状況である。 委員長: 細胞の実験をたくさん見ているこの委員会としては、人間の体の組織がいわゆる外的な力とか、電気の刺激とか、そういうもので変化していくというイメージをあまり持たずに見てきていると思うのだけれども、考えれば当たり前のことかもしれないし、そういう方向に研究がだんだんいっているということを今日見せていただいたのかなと思っている。なかなか手探りのことも多いのだろうなというふうに思った。 ―説明者退席後、審議が行われた― 委員長: 今の課題についての変更申請は、逆に勉強させていただいたぐらいで、恐らく問題はなく承認できると思いうので、よろしければ挙手で承認を頂きたいと思う。 ―全委員挙手― 委員長: では審議は終わりということで。 事務局: そうである。この4月から。 委員長: 委員長の任期は、何か私が初めてなったときは5月ぐらいだったのだけれども、私はこの年度における委員長なのか。 事務局: 任期の間の2年間の委員長ということに。 委員長: この12月に始まるのか。 事務局: 委員会が開かれずに互選がない場合はそれまでの委員長職は引き続きというところで今までやっていただいていて、今回開催があったので、改めて互選という手続きとなった。 委員長: それで4月に遡って、2年間の委員長ということで。了解した。
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7. | その他 | ||||||||||
委員長より再生医学領域における最近のELSI(倫理的・法的・社会的課題:Ethical, Legal and Social Issues)についての話題提供があった。 |