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No83

第83回 神戸事業所 倫理審査第一委員会 議事要旨

1. 日時:令和5年2月16日(木)14:00~15:00
2. 場所:Web会議方式による
3. 出席委員等
 
(委員)

加藤 和人 委員長 (大阪大学大学院医学研究科 教授)
上野 弘子 委員 (広報メディア研究所 代表)
黒澤 努 委員 (鹿児島大学共同獣医学部 客員教授)
林 知里 委員 (兵庫県立大学地域ケア開発研究所 地域ケア実践研究部門 教授)
小門 穂 委員 (神戸薬科大学社会科学研究室 准教授)
石川 隆之 委員 (地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院 副院長)
北島 智也 委員 (生命機能科学研究センター 染色体分配研究チーム チームリーダー)
濱田 博司 委員 (生命機能科学研究センター 個体パターニング研究チーム チームリーダー)

(説明者)

髙里 実 (生命機能科学研究センター ヒト器官形成研究チーム チームリーダー)
神田 元紀(生命機能科学研究センター バイオコンピューティング研究チーム 上級研究員)

(事務局)

片山 敦 (神戸事業所 安全管理室長)
菊地 真 (神戸事業所 安全管理室)
高橋 一樹 (神戸事業所 安全管理室)
北澤 泰二 (神戸事業所 安全管理室)

4. 議事項目
 

(1) 人を対象とする研究計画に対する審査
(2) その他

5. 審議事項
 

1)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(継続) 受付番号:K2022-018
「ヒトES細胞から尿路系組織を作成する研究」
研究実施責任者:ヒト器官形成研究チーム 髙里 実

【概要】
 ヒト器官形成研究チームの高里チームリーダーより研究計画の継続について説明があり、質疑応答の後審議となった。審議では、研究倫理計画継続理由書の一部の表現について意見があり、事務局から研究実施責任者へ伝えることとなった。他には特に問題がないことを確認後、承認とされた。
 質疑応答等詳細は以下のとおり

★ 本課題は今後も続いていく中で、資料を拝見して、「教育研修計画」ということで、新たに若い皆さま方も参与されていくことになっていくと思っているが、昨今、こういう研究に関していろいろな研修をせよというようなことがあるが、もう少しこういう研修が必要だといったようなことがあれば、こんなことが必要だとか、それなりに十分であるというお考えであるのか、そのあたりお伺いできればと思う。

説明者: 理化学研究所に所員として入るときに、最初にヒトの細胞を使う倫理的な研修というのは行うが、世界的にこういった幹細胞を使った研究というのが盛んになる中で、幹細胞研究の国際学会でも、この倫理の問題というのが一つのトピックとして必ず毎回挙がるようなものになっていて、要は、いかに一般の方々の理解を得ることができるかというのが非常に重要な問題になっている。当然、このES細胞というのは、ヒトの胚を崩してそれをステムセルにして使うということで、生物学的に言えば受精卵というのは生命になるので、それを破壊してまでやる価値のある研究なのかというのを、実際に再生医療を欲している方々の意見と、またそうでない一般の方の意見というのは違うため、一般の方々に対してどうやってインタープリテーションというか、やっていることを広めていくかというアウトリーチ的な活動というのが必要なのかなというふうに思う。

★ 今回の継続に関して、こういうことが必要だということまできちんと明示していただいているので、そこも含めてお考えなのだということは理解できた。

委員長: 今、理研神戸とかでオープンデイなど、いろいろな活動はまだ続いているのか。

事務局: コロナ禍で開催方式は変えているが、やっている。

委員長: 理研全体としてはいろいろ努力はされているということで。

事務局: ESについては国の方も有効利用推進というところがある半面、先ほど説明者が言われたように生命の萌芽というところは、情報として引き継がれていかなければいけないということがあるため、その辺のバランスを取りながら周知していくという点が重要かと思う。

委員長: ★委員は、生命倫理専門調査会でいろいろヒト胚研究については議論されているのではないか。

★ 特に新規胚の作成というところで議論が出たが、いったん区切りがついたところかなと思う。

委員長: なかなかイベントだけでは日本国民の皆さんが知るところまではいかないので、悩ましいところであるが、そうは言ってもやっていかないといけないのだろうと思う。
 継続審査そのものについては皆さまいかがか。研究の内容で、このオルガノイドは、薬剤のテストなどによく使うというのは聞くが、そういうのは先生の視野に入っているのか。

説明者: 移植利用の前に薬剤の効果とか、もしくは毒性というのを、臨床試験の代わりには完全にはならないのが、動物を使う代わりにこのオルガノイドを使うということで、ヒトの細胞を使うという意味でも臨床での結果に近いようなものが期待できるということがあり、腎臓に関しても、膀胱に関しても、同じような薬剤テストに向けた研究というのを進めている。

委員長: そうすると、その技術がまず今のES細胞でうまくできるようになったら、今度は患者さん由来のiPS細胞を使って、病気の腎臓をシャーレの中で再現できると。さらにそれで薬のスクリーニングとかもできるのではないか。

説明者: そうである。ES細胞ではなく、iPS細胞を使う利点としては、特に遺伝子の変異によって起きるような病気を持っている患者さんの場合は、その患者さんの体細胞からiPS細胞を樹立して、それで実際に臓器を作ってみると、病態がシャーレの中で見えるという、いわゆる病気モデルというのだが、それを作れるという利点がiPS細胞にはある。逆にES細胞だと正常な胚を使っているので、人工的に何かミューテーションを入れるとかということをしないといけないのだけれども、ES細胞の場合はどちらかというと正常なものを作り、正常な臓器発生がどうなっているかというのを研究するのにはES細胞が向いており、病気の研究にはどちらかというとiPS細胞の方が向いているかなと思う。

委員長: ラボとしては両方やっておられるのか。

説明者: ラボとしては両方やっており、患者さんから採ってきたiPS細胞と、このヒトES細胞と両方使っている。

★ 今の視点はすごく大事で、FDA Modernization Actといって米国のFDAが最近法律を変え、動物実験代替法を使うというのが原則で、できないときにだけ動物実験をということに変わり、われわれの分野としてはものすごく注目している。
 従って、今後、先生がおやりになっているような腎臓に発生した細胞、特にレポーター遺伝子などを入れて色を付けようかといったことは、これからものすごくはやる分野だと思う。

★ ES細胞から尿細管上皮を作るというのは確かに大変なことだとは思うが、腎臓というのは特にネフロンになると、メサンギウム細胞だったり血管だったりとかいろいろなものが、それこそ立体的にいろいろな細胞が混じってできてくるため、そうしないと機能として発揮しないが、そこまではどういうふうな道筋なのか。

説明者: われわれのオルガノイドの中には、実は中胚葉のネフロン前駆細胞以外にも周辺の細胞というのが混じっており、そうするとオルガノイドの中にもメサンギウム細胞だとかストローマ細胞だとか血管内皮細胞というのも混じっている。したがって、初期の腎臓の発生をかなり忠実な形で再現できているというふうに考えている。ただ、それを発生するところはそれでいいのだが、実際に腎臓としてメンテナンスして継続して長期で培養するとなると、血流が流れていたりしないと血管が糸球体に入っていかなかったりとか、ちゃんとメインテインできないという状況になるため、それは少なくともこのin vitroの系だとなかなか今のところ難しいかなと。それは先ほどの図でお示ししたような実際にマウスとかvivoに入れてみて、その中で血管化させて長期で培養することで、その作ったオルガノイドをマチュレーションさせたり、メンテナンスさせたりということができるので、そこを今目指している。

委員長: では、これぐらいで研究の意義も現状も分かったということで、他になければ質疑は終わりたいと思う。

-説明者退出後、審議が行われた-

★ このES細胞、iPS細胞、ヒト由来細胞を使っていろいろ分化したものというのは、ヒトだという概念であれば、(研究倫理計画継続)理由書の中に、「オス」という言葉を使っているのは。これは明らかにヒトでは使わないので、本当にこの表現でいいかなと。
 やはりヒト由来なのでそれなりの管理をまだやっているのでは。ただし、もうバンクに入ってしまった細胞なので、倫理委員会の審議は特に要らないというようなことかもしれないが。もう確立した技術があるのだから普通の細胞として扱ってもいいよという考え方もあるとは思うが。

委員長: 英語だったらmaleとかそういうのは全部一緒なような気がするのだが、日本語の場合はたまたま男性というのとオスというのがあるのでどちらかいいのかなと。しかしこれは受精卵なので、男性というのも、ヒトになっていないのになと思うため、私はオスと呼ばざるを得ないかなと思ったりもするが。
 現状ではこの実験レベルのオルガノイド、特に脳以外のオルガノイドに関しては、そこまで問題にはせず、培養細胞の延長上ぐらいに考えて研究者は扱っているように思うけれども。★委員、いかがか。生命倫理的に見て。

★ どういう言い方がいいのか。男性胚というのは何かちょっと変な感じがするなと思う。

★ 考えられるのは、Y染色体を持つES細胞という言い方は。

委員長: 細かい話だが、ちょっとそこは議論になったとご本人に伝えて、一つの提案としては、「Y染色体を持つヒトES細胞であり」という提案をしているけれどもいかがかと。これは理研の中で申請するための書類なのだが。

★ 私が問題にしたかったのは、理研の中のものであるが、理研全体として、研究者がものを考えるときに、こういうヒト由来のESセルなり、iPSセルをヒトとしてリスペクトして扱うのか、扱わないのか。もう研究用の材料としてどんどん使っていいのかというところを少し喚起したかった。

委員長: ご本人がES細胞をどう見ているかというのがある程度分かったと思っていて、そこは押さえられていたと思っていたが、チームまでしっかりと頼みますねという発言は委員会としてはしなかったので、そこは次のまた理研全体の研修のところとかでも覚えておいてもらって、改めてES細胞の意味を考えることも大事だということで、入れておいていただくようにするといいのではないかと思う。

事務局: 一点補足情報として、京大再生研の中では、先ほど委員が言われたように、核型としてX・Yというような表現でリスト化しており、その辺の情報も説明者に伝えた上で、表現を考えていただくとよいのかと。

委員長: なるほど。XY、XXがいいかもしれない。ES細胞というのがどういうものかというのは大変難しい話で、日本の中では人の尊厳がそのままあるという発言をされたというのが記憶に残っているわけだが、それは言い過ぎだというのがメジャリティの考え方で、かといってただの細胞ではないという、それをヒトの生命の萌芽という言葉を使って今、日本のスタンスを表しているわけであり、それが理研全体でちゃんと理解されるように、これからも気を付けていきたいと思う。
 では継続理由書について確認いただきたい。

事務局: 変更届の期間の延長の部分と、あとは委員会案件として、どういう審議があったかというところを届け出る。

委員長: 承知した。ご了承いただければ、挙手をお願いする。

―全委員挙手―

委員長: これで承認して、継続していただきたいと思う。

事務局: 委員会の意見のところについては事務局で文章を作ったものを委員長に確認いただければと思う。

委員長: これは比較的定型でいいと思う。内容的にはいろいろ今議論したことは重要であるため議事メモに残しておけばいいのでは。

 

2)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(新規)
受付番号:K2022-021
「自律細胞培養系におけるヒト由来細胞のゲノム解析」
研究実施責任者:バイオコンピューティング研究チーム 神田 元紀

【概要】
説明者の神田研究員より新規研究計画の内容に沿って説明があり、質疑応答の後審議となった。審議では特に問題がないことを確認後、承認とされた。
 質疑応答等詳細は以下のとおり

委員長: 「匠が培養した」と言われたが、「匠」というのは何なのか。

説明者: iPS細胞は、培養する人によってかなり品質に良いもの、悪いものがあるということが知られている。ロボットに自律培養させる時点で悪いものを提供してしまうと、それは悪い細胞しかできないので、その時点で最高の細胞を与えるということで、A病院にいる、きちんとした細胞が培養できる人が培養したものを利用するということになっている。

委員長: そこは人間。

説明者: そうである。まずはそのインプットの部分は人間がいいものを提供する。研究を進めていくうちに、悪いものを提供したとしてもいいものにだんだんロボットとAIが変えていくというようなこともできたらいいなとは思っているが、そこは先の話だと思っている。

委員長: 倫理審査はこちらのみで行い、B大学では行わず一括審査にするという話なのか。

説明者: そうである。理研が代表機関になって一括審査をするという申請である。

★ 一つの細胞を培養していくということは、複製されていくということか。

説明者: そうである。

★ そのゲノム情報というのは、そのまま引き継いでいかれるものだと認識しているのだけれども、そこでゲノム情報をチェックするというのは、それはやはりロボットなどを使って非常に多く培養していく中で、確率的に何か違った情報を持つ細胞ができる可能性があるからなのか。

説明者: 一つ目は、今回、いいiPS細胞、悪いiPS細胞を区別するときに、ゲノムの中でもいわゆるプロモーターといわれる部分のメチル化の状態というものを測ろうとしている。その解析をするときには、ゲノムの情報を読んでどこがメチル化されているかということを確かめるので、ゲノムの情報そのものは欲しくないと思っていたとしても、副次的に得られてしまう。
 もう一つは、突然変異の話になるが、最近はゲノムの不安定性とか安定性というふうにいわれているのだけれども、何か環境の変化だとか摂動みたいなものを与えると、ゲノムがどんどん、遅いが変わっていくということが知られている。そういうことを起こすと、iPS細胞というのはだんだん悪くなってしまっていくということなので、そういったゲノムの変化を起こさないような手技というようなものをロボットで探したいというのがあり、そういうことを評価するためにはゲノムの全体をある程度読む必要があるというふうに考えている。

委員長: どう変化していくかを追いかけること自体も目的で、あまり変化しないやり方を確立すると、それでどんどんiPS細胞を増やせるようになるのでということだけど、やはり全く変化しないわけではないということか。複製するわけだから。

説明者: そうである。

委員長: それは認めた上で、できるだけ変化しない方法を見つけたいということか。

説明者: そうである。変化した方がいいのか、しない方がいいのかというのも、実はまだ分かっていないところなので、これであれば別に大丈夫、ここは変化してはいけないというところが見つかるということも、かなり大きなことかなと思っている。

委員長: 使うiPS細胞の元の由来は。

説明者: 一つはバイオリソースセンターからわれわれが、これから研究室で取得するものである。もう一つがバイオリソースセンターからA病院が取得し、培養したものである。

委員長: 大事なのは、それがどういう人から作られたものか。iPS細胞であり、ES細胞と違う。そこを教えていただきたい。

説明者:健常者から取られたものだと理解している。

委員長: 打ち合わせで聞いたが、それは山中iPSだと。

説明者: そうである。研究用途でよく使われている健常者由来のiPS細胞株である。

委員長: そのiPS細胞を医学研究に使うということや、その後いろいろなことに使われるということもインフォームドコンセントの中に入っていて、取得された細胞をiPS細胞にしたという理解か。

説明者: そうである。研究機関でIC再取得が必要だとは言われていない株である。

委員長: おそらく前のゲノム指針とかだと、商業的に売られている細胞などは、もう審査の対象ではないとなっており、一方、HeLa細胞というのがあって、それは売られていたし、世界中が驚くべき数使っていたものが、そのゲノム情報が公開され、NIHが謝罪してという話があって、その両方のせめぎ合いで、どこまでが元の方のことを意識しつつ研究すべきかということが非常に分かりにくくなっているというのが、この21世紀の状況である。その中で、日本はどちらかというと保守的に、とにかく存在し得る方、その方が亡くなられたかどうかもわれわれは分からないわけだが、そのゲノム情報を扱い、そのゲノム情報は日本では個人識別符号に当たる、個人情報の一つなので、しっかり審査するということになっている、そんな理解でよいか。

説明者: その理解の上で申請を行った。

委員長: では、このできたゲノム情報は、先生方が変化したか変化しないか調べる、しかもエピジェネティクスをやるということなのだけど、ゲノムの1次情報をどこかのデータベースに入れるとかということはあるのか。

説明者: 今のところ考えてない。

委員長: 得られた変化の情報、エピゲノムを含めて論文に書くようになることになるわけか。

説明者: その理解である。

★ 今回のこの件で、読んでいたときはあまり気にならなかったのだが、今お話を伺って少し気になった点がある。それは、複製をしていくに当たって、なるべく変化しないやり方、元のところから変化しないやり方等を見いだしていきたいが、場合によって変化した方がよいというものもあり得ると。そういう話であると、変化した方がよいということが、今後、科学的にこれが必要だということの話と、変化させるということとの境目というのが、非常に難しいことなのだと思う。今回の研究の大きな目的としては、いわゆる細胞培養技術を高速化していく、品質を安定、高品質のまま高速化していって、不用意なゲノム変異とか形質変化を伴わない安定した培養技術の実現だと。そのために(細胞の)状態の評価をしなければいけない。これは当然のことだと思うのだけれども、ここから、だから変化しないやり方ということ、定量化、高品質化をするということで不用意なゲノム変異や形質変化をしないというこの目的の話と、得られた情報を複製によって変化した方がよいということに関して、どうしていくのか。この辺が、倫理的に検討しなければならないことというと、ポイントになるのかなという気がしている。本研究はその目的、意義、きちんとこういう範囲でやっていくのだということを明記しているので、その範囲でやっていかれるのだろうとは思うが、論点の一つはそこになるのかなということである。

説明者: まず、良い状態を探すにはどうするか、どうやって探すかというと、ロボットなので、同じ動きやちょっと変えた動きというのが、再現性高くできるわけである。したがって一つの培養操作、継代と呼ばれる操作だとしても、ロボットだと100種類とか1000種類ぐらいの動きが作れる。それを、例えば全部培養して、いいものができたのか、悪いものができたのかなどということを評価していく。その中で、これはいいとなってきたもののゲノムの状態を詳しく解析していく。その中で、いいと判断したものでゲノム状態が変わっていないものが見つかるだろうというふうに、まず一つ思っている。こういうような大規模な解析をすると、恐らく(ゲノムの状態が)変わっているのだけれども、なぜかいい状態の細胞というものも恐らく見つかると思う。それが見つかったときには、またこれの次に始まるような研究としてあるのかなというふうに想像している。

★ いい細胞は、どうやって見分けるのか。

説明者: それこそA病院のいいiPS細胞を作れている匠の人というのは、実は顕微鏡画像だけでいい、悪いというのが、現状、判断できている。その人がいいと言ったものは本当にきちんと分化する。なので、形態で見られる何かには、恐らく表出しているだろうという仮説の下で、いい、悪いというのをまずは判断していくということになると思う。

★ 普通に考えると、ES細胞としていいか悪いかというのは、例えば分化させてみてちゃんとそうなるかとかそういうところで判定すると思うが、そこまでは計画に入っていないということか。

説明者: それは先かなというふうに思っている。

委員長: 二つの組織にゲノム解析を依頼するわけだが、C社というのは何か。

説明者: 団体としては、B大学に臨床検査室があるのだが、そこの臨床検査室が民間の運営になっており、民間の法人格がこのC社という名前である。いろいろなところからの受託等々を受け付けている団体ということである。

委員長: B大学が自分たちのやっていることを外出ししており、組織にしてやっているということか。

説明者: そうである。

委員長: 承知した。これで質疑は終わり、審議に入る。

-説明者退出後、審議が行われた-

委員長: まほろというロボットが動いているところを医学部の講義で見ているが、ロボットバイオロジーという、人間は頭を動かし、ロボットが細胞を培養してくれるというものである。特に日本はロボット技術が強いので、一つ面白い領域で、その先頭を走っておられるのが今の先生であるということになると思う。
 元々のiPS細胞というのも世界中で使われているものであり、でも元の個人がいるわけなので、ちょっと慎重にゲノム情報を扱うということで、しっかり申請していただいて、審査してやっていただくと。多分、論文を書くときにも、どこまでiPS細胞をジャーナルがチェックするのか分からないが、「倫理審査を通したか」という欄は投稿のときにあるので、スムーズにしていくためには、慎重にして悪い話ではないのだろうと思う。もし問題ないと思われるのであれば、これでそのままの内容で承認したいと思う。よろしければ挙手をお願いする。

―全委員挙手―

委員長: それでは、承認ということで。

 

6. その他
 

委員長から幹細胞研究に関する倫理的な問題についての話題提供があった。

 

以上

 

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