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No85
第85回 神戸事業所 倫理審査第一委員会 議事要旨
1. | 日時:令和5年10月3日(火)13:00~14:25 | ||||||||||
2. | 場所:Web会議方式による | ||||||||||
3. | 出席委員等 | ||||||||||
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4. | 議事項目 | ||||||||||
1) 倫理審査適用確認フローチャートについて |
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5. | 審議事項 | ||||||||||
1) 倫理審査適用確認フローチャートについて 委員長: 指針に乗るのか乗らないのかという判断に迷う研究が、頻度は多くないけれども、いろいろなところあると聞く。ただ、(指針に)乗らないで審査が行われなくても、論文を投稿するときに倫理面の配慮は大丈夫かということで、何か書類を求められることがある。そういったことも含めて、対応施策を理研として考えようということで、こういうフローチャートができたということである。 事務局: この委員会では医学系指針に基づいてヒト試料や情報を使うときに審議いただいているところなのだけれども、指針の中で明らかに適用範囲から外れるものが幾つか設定されている。申請者の方で、これは指針に該当するのか、しないのかが明確でないときのために作ったフローチャートがある。 ★ フローチャートの最初のスタートのところが、「人を対象とした試料、情報を用いる研究」とあるけれども、これは「取得した」、「人から得た」ということではないのか。 事務局: そういう意味になる。 ★ そこがちょっと気になった。言葉が、表現として。 委員長: これは生命科学・医学系指針の適用、非適用の話を、適用除外の話を・・・。「適用除外」ではなく「適用外」。わざわざ除くのではなくて適用外だと思う。それ以外の人間を対象とするさまざまな研究は、人文社会系も含めてあるが、それは理研としては審査体制がないのか、あるのか。 事務局: あくまで生命医学系指針対象かどうかで審査になる。あとはヒトESなどで。 委員長: われわれはどちらかというと、ほとんどがいわゆる健康に関するような研究だと思うので、生命科学・医学系指針の該当、非該当を検討すればいいのだと思う。そういう意味では、このフローチャートは使えるのではないか。今、指摘のあったトップのところや除外は、多分適用外に直してもらったらいいのではないかと思うのだが。 ★ 私が昔経験したのは、特に動物実験に関してで。研究する人がその(審査)番号が欲しいというのは、そのジャーナルが求めるからである。それに対して委員会はどうするかという議論があった。何のために委員会があるのか訳が分からなくなるから、求めたら全部見てあげようと。そして、ちゃんと審査したという議事録を残し、番号を付けることにした。理研はこのフローチャートでやったのだからいいではないかというわけには、いかないのではないか。 委員長: しかし、倫理審査を希望するというのは、チャートにあるから、そちらに来られたらいいのではないか。 ★ なるほど。ここである。 委員長: だから、適用除外の場合に番号が出るかというと、これは出ないと。もし、番号が必要、倫理審査が必要ならば、希望する方に出していただければ真ん中「倫理審査委員会による確認」に行くということで。だからこれ自体は整理されているということでよろしいのではないか。 ★ はい、結構だと思う。 委員長: それでは、次回最終確認して、そこから運用を始めるというのを私は提案する。 事務局: 承知した。
2) ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(変更) 【概要】 委員長: オルガノイドの部屋の方では、ヒトESはもう使っているのか。他のチームが。 説明者: そうである。 委員長: 「まほろ」は今までヒトiPS、ヒトESは使ったことがあるのだったか。 説明者: 私たちではないけれども、いわゆる網膜色素上皮細胞で。 委員長: あれは当然ヒトである。なるほど。今、追加するとおっしゃった幾つかの部屋については、元々ヒトES、ヒトiPSを使っているので、いろいろな意味での体制はある中、今回の研究で使いたいと、そういう理解でよろしいか。 説明者: はい、おっしゃるとおりである。 委員長: 安全管理もしっかり見ておられると思うから、例えば細胞の処理や廃棄などに関しても、いい加減なことになるようなことはないと思う。ご質問は、他の皆さま。よろしいか。では、委員から質問がなければ、ご退出を。 ―説明者退出後、審議が行われた― 委員長: 問題はないと思う。このまま承認ということで、よろしければ挙手をお願いする。 ―全員挙手― 委員長: ありがとうございました。
3) ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(新規) 【概要】 委員長: これは升本先生が理研とA大学に在籍しておられて。それぞれの役割について、一言お聞かせ願う。 説明者: 細胞の調整を理研の私が行って、動物実験をA大の私が行う。 委員長: 遺伝子解析による造腫瘍性の評価という、3ページにあるところは、A大学と書いてあって、A大学から委託で外に出す?CiRA財団。 説明者: そうである。CiRA財団が一番経験があるので、それを考えている。 委員長: これはA大学側でも申請される? 説明者: そうである。それは現在、申請準備中である。 委員長: やることは以前からやっていることをやる、細胞株が変わると。細胞が治療の局面に行ったときにとても良いものになるということで、しかしその中で免疫拒絶の問題、あるいは免疫的な観点からの分析をすることが、この新しい申請のとても重要なところであると理解した。 ★ 3次元の細胞というお話が出たのだけれども、こちらの方では3次元のイメージはどのようなものになるのか。キューブのようなものになるのか。 説明者: 実のところ、いろいろなものを作っている。現状、私たちもA大学病院でHLAホモ株に関しては臨床研究の準備をしているところで、それはシート状の形で、われわれはシート状をさらに発展させたようなものを作っていたりする。あるいはロッド状、つまりひも状のものも作ったりしている。どのような形が一番良いかということに関しても、実のところ研究段階というところがある。 委員長: 他はよろしいか。それではこれで一つ目の課題については審査に入るので、いったんご退出を。 ―説明者退出後、審議が行われた― 委員長: 皆さま、いかがか。ご本人が理研とA大学が共同で、チームとして分担してやるということ。そして重要だと期待されている内容を行うということで、着実に進んでいるのかなという感じはあるので、適切な内容と申請なのではないかと私は考える。A大学側の審査で、委託契約はみてもらえるということで、われわれは適切に契約されているだろうという判断ができるだろうと考える。では、ご了承いただける方は賛成ということで、挙手をお願いする。 ―全委員挙手― 委員長: ありがとうございました。承認ということで。
4) ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(変更) 【概要】 説明者: 今回申し上げているのがこの**変異の、変異株と野生型に修復した株。これを見ると、同じ時期にこれらの株の配布が始まっているのだが、この同じ患者さんからという組み合わせはこれしかない。であるので、今回追加としてはこれだけになる。 委員長: (使用予定の細胞株を)誰が作ったかというのは公開されているのか。 説明者: (作成者を)知っているけれど、公開されているかどうかは分からない。 委員長: そこと共同研究をしないといけないことにはならないのか。 説明者: 既に理研BRCに寄託した段階である。私たちはBRCとの契約のみで行う。 委員長: 分かった。もう心臓血管系では他の遺伝子なら幾つか使われているのか。 説明者: 今回、これを選んでいることには多少理由がある。主に拡張型心筋症を起こす遺伝子は複数知られている。**が実は一番病状としてシビアと言われていて、非常に進行も速い。だから治療対象になりやすい。そういう意味でもこの株を使うことは意味があると。 ★ 委員長がご指摘されたとおり、誰が作ったのかと思った。だから、まだパブリケーションはしていないけれど、(BRCに)寄託されたということで? 説明者: そのとおりである。今これ(寄託者)を言っていいのかどうかも僕は分からないので、言えない。 委員長: 言わなくてもいいと思う。寄託して多数の人に使ってほしいということで。 説明者: それでは退出する。ありがとうございました。 ―説明者退出後、審議が行われた― 委員長: いかがか。今回のはとても重たい心臓の疾患についての、工夫された研究をやっていくということだと思う。きっちりと考えられていると思うので、問題なければ承認ということでいきたいと思う。よろしいか。それでは挙手をお願いする。 ―全委員挙手― 委員長: ありがとうございます。日本で山中伸弥先生の大発見から、そしてノーベル賞を経て、あるいはその前も含めいろいろなことが起こり、その中の一つの柱として理研BRCのiPS細胞の寄託事業がある。それをずっと見てきた観点からすると、本当に素晴らしくいろいろな研究の足場というか基盤がつくられてきた。その大きな土台の上に、先ほどの研究があって。われわれこの倫理審査委員会はそういう個々のプロジェクトの審査をやっているわけだけれども、そういう大きな流れも頭に置いて、その大きな流れがいかに社会のためになっているのかということを思いながら、さらにより良い研究が発展するようにと。(今回は)少し気持ちを込めてコメントをした。 |
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6. | 報告事項 | ||||||||||
1) 研究実施報告について 事務局より、令和2年度及び令和3年度の研究実施報告について説明があり、研究の実施状況について特に問題がなかったことを確認した。 2) その他 事務局より、倫理指針の変更に伴い理研の規程の改正を行う予定であること、また、今後の委員会開催予定について連絡があった。 |
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