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No88

第88回 神戸事業所 倫理審査第一委員会 議事要旨

1. 日時:令和6年7月16日(火)15:00~16:00
2. 場所:Web会議方式による
3. 出席委員等
 
(委員)

加藤 和人 委員長 (大阪大学大学院医学研究科 教授)
上野 弘子 委員 (広報メディア研究所 代表)
黒澤 努 委員 (元 鹿児島大学共同獣医学部 客員教授)
小門 穂 委員 (大阪大学大学院人文学研究科 准教授)
近藤 忠一 委員 (地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科部長)
北島 智也 委員 (生命機能科学研究センター 染色体分配研究チーム チームリーダー)
砂川 玄志郎 委員 (生命機能科学研究センター 冬眠生物学研究チーム チームリーダー)

(説明者)

森本 充(生命機能科学研究センター 呼吸器形成研究チーム チームリーダー)
升本 英利(生命機能科学研究センター 老化分子生物学研究チーム 上級研究員)
砂川 玄志郎 委員 (生命機能科学研究センター 冬眠生物学研究チーム チームリーダー)

(事務局)

藤原 茂樹 (神戸事業所 安全管理室長)
菊地 真 (神戸事業所 安全管理室)
高橋 一樹 (神戸事業所 安全管理室)
北澤 泰二 (神戸事業所 安全管理室)

4. 議事項目
 

1) 報告事項
2) 審議事項
3) その他

5. 新規委員の紹介について
 

委員長より、石川委員の退任後、新たに委員に着任された神戸中央市民病院の近藤委員の紹介があった。

6. 報告事項
 
  • 1)令和5年度研究実施報告

事務局より、令和5年度の研究実施報告について説明があり、研究の実施状況、及び研究終了後の情報等の保管の有無等について確認を行った。

7. 審議事項
 

1)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(変更)
受付番号:K2024-001
「ヒト呼吸器原基のin vitro再構成と極性形成過程の可視化」
研究責任者:呼吸器形成研究チーム 森本 充

【概要】
説明者の森本チームリーダーより研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行なわれた。審議では特に問題はないとされ、承認と判定された。

質疑応答等詳細は以下のとおり

委員長: A病院は、もう試料は提供していたのか。

説明者: 血液試料に関しては既に昨年度末の段階で採取を終えていて、今、BRCにある状況である。iPSは現在作製中という状況である。

委員長: 全ての提供者の方、患者の分も両親の分も全ゲノム解析を試料で行うということは同意が取れている?

説明者: そうである。

委員長: この委託先の会社というのはもちろんゲノムは解析したらこちらに戻してもらうということで契約する?

説明者: 終わった後にサンプルは回収する。また、解析データについても3カ月終えたら消去していくというふうな約束である。

委員長: A病院から来るのは、いわゆる遺伝性かどうかは分からないけれども、両親のゲノムと本人のゲノムを両方解析しようと?

説明者: そうである。家族性か特発性かは確かに分からないのだけれども、これらの疾患はほぼほぼやはり何か遺伝を受けて起こることが多いと思う。

委員長: その辺もこれから研究していくぐらい、希少なケースを扱っておられると。では、審議に入る。

―説明者退出後、審議が行われた―

委員長: 皆さまいかがか。私も2、3確認もしたので、大きな問題はないということでいきたいと思う。では、承認ということでよろしければ、手を挙げていただけるとありがたい。

―皆挙手―

委員長: では承認で進めさせていただく。

 

2)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(変更)
受付番号:K2024-005
「HLA編集iPS細胞由来心臓系列細胞及び細胞構造物を用いた心臓再生医療のための研究」
研究責任者:老化分子生物学研究チーム 升本 英利

【概要】
説明者の升本研究員より研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行なわれた。審議では特に問題はないとされ、承認と判定された。

質疑応答等詳細は以下のとおり

★ このブタはどこで飼育されるのか。

説明者: B大学の方で飼育される。

委員長: では関連して、ブタに対する心臓細胞の移植の手術は、誰がどこでなされるのか。

説明者: これはC大学の共同研究者の方と、私もB大に行き実施する。

委員長: そういうことを受ける施設になっている?委託として。

説明者: 委託としてそこの場所を提供して、手術の間の管理も含めて受託されているということである。その後の飼育も。

委員長: 手術はこちら側の研究者が行い、飼育管理を行ってもらって、測定をするという業務的な部分を、B大学が担うということで。共同研究としてはもう承認しているところを委託に変更するという、ほぼ迅速審査でも大丈夫なところだが。
 他、委員の方々、もしご質問がなければ審議に移ってもいいかなと。

―説明者退出後、審議が行われた―

委員長: 元々の枠組みは審査をしてきているので。では、この変更申請について承認いただけるようであれば挙手をお願いする。

―全員挙手―

委員長: 承認ということで進める。ありがとうございました。

 

3)ヒト由来試料等を用いる研究計画に関わる審査(新規)
受付番号:K2024-002
「低体温症患者のメタボローム解析」
研究責任者:冬眠生物学研究チーム 砂川 玄志郎

【概要】
説明者の砂川チームリーダーより新規研究計画の内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行なわれた。質疑応答では、同意若しくは代諾を取得するタイミングについて質問があり、研究対象者の研究参加が代諾者からの同意取得になる場合、研究対象者の治療状況を勘案した適切なタイミングとなるような記載等により、代諾者の自由意思による同意取得となることが望ましいと思う、という意見があった。また、説明文書についての誤用、脱字等についての指摘があった。審議では、説明同意文書及び同意撤回書について指摘箇所の修正の他、伝わりやすくより適切な記述となるよう修正することとされ、継続審査と判定された。

質疑応答等詳細は以下のとおり

★ 低体温症の方では意識状態が低下するような方もいると思うのだが、受診時の同意はどういうタイミングで取られることを考えているのか。

説明者: 低体温症は重症だと意識がない場合もあるので、そういう場合には受診の時点で代諾者からインフォームドコンセントを取ることを考えている。四つのパターンがあり得ると思っており、軽症で受診時に意識がある場合が①、②③④が受診時に意識障害がある場合で、②に関しては退院時には意識が回復している場合、③は残念ながら意識は回復しないけれども退院になった場合、④は入院中にお亡くなりになった場合で、今回は受診時に採血をして、回復した後もう一度採血をすることになるので、②③④に関しては、代諾者からのICを取るということで進めようとしている。もし意識が回復した場合には、ご本人の希望があればその次点でもう一度説明するということを考えている。

委員長: ③と④は回復していないので、対象にはならないように思われるのだけれども。

説明者: ③に関しては、低体温症は回復しても、例えば、脳への虚血が大き過ぎて(意識が)回復しないという可能性は、数は少ないがあり得るということで、③が入っている。④に関しては、低体温症は回復しないが、やはり最初の低体温の時点で相当な重症が予想されるので、これは研究の意義としては非常に大きなものになると思うので、やはり1回の採血だけでも研究対象としたいと思って含めている。

委員長: 亡くなった方の代諾をどのように取るかは、気を付けてやる必要があるだろう。(研究に参加しても)何の利益もないと思われるかもしれない。

説明者: それは、具体的にはどのように?

委員長: コメントとして。共同研究機関の病院の経験に頼ると思うのだけれども、そういう研究についての説明を始めるタイミングとか、それから説明の仕方とか、あるいはそのときに心理士が同時に付いておくとか、ケアが要ると思うので、そういうのをやった上でうまく社会的な意義や医学的な意義などを話し始めることができるのであればと思う。

説明者: 理解した。入院時にもうほぼ亡くなっている状態で来る場合と、亡くなると思ってはいなかったけれども2日後に亡くなったみたいな場合だと、だいぶ状況が違うと思う。

委員長: そうである。

説明者: どこまで今回の低体温症として扱って含めるかというのは、確かに議論が要るかなというふうには思っていて、救急の現場なので。そこはやはり先方とよく相談した上で、審査申請書の中にそこを明確に書いた方がいいのであれば、まだそこは足りていないなとは思う。

委員長: 一度ご相談されて。あくまで自由意思での同意を取っていくというふうな説明を入れていただけるといいのではないかと思う。

説明者: 一応、現段階でのクライテリアとしては、まず低体温症で入院された方というふうにしているので。つまり、外来でそのまま亡くなった場合には、もう今回の場合には含まれない。

委員長: 理解した。それでも「入院して少し治療が継続されている際に」とか、もしかすると「症状があるけれども一定のレベルで(容体が)安定している段階で」とか、何か書けることがあるかもしれないなと思う。

説明者: 承知した。

★ 大変意義深い研究で、ぜひやっていただきたいと思う。場合分けもきっちり、混乱した現場でもすぐに判断できるようなものにすると、症例が集まる可能性があるような気がする。

★ この低体温症というのは、水難事故とか冬山登山などの急性的なものだけなのか。それとも慢性的にもあるのか。

説明者: まず定義からいくと、確かに35℃未満なのだけれども、生活スタイルとか、あとご年齢によっては、やはり常時34℃台という方もいらっしゃる。その場合は低体温症とは診断せずにいる方は大勢いらっしゃると思う。今回対象にしているのは、多くは、ご自宅でお酒を飲んで暖房を入れ忘れたり、服を着るのを忘れてそのまま寝てしまったり、酔っ払って外で寝てしまったとか、あるいは何か別の病気で、例えば軽い脳梗塞を起こして外で倒れてしまわれて、そのまま薄着で寝込んでしまったケース。偶発的だけではないのだが、何かの原因で低体温になってしまったという方を含んでいる。今回に関しては急性のというふうにご理解いただけたらと思う。

★ この低体温症の研究をするに当たって、男女の区別とか年齢差というのはどの程度まで考えたらというか、それは影響があるのか。

説明者: 男女に関しては全く分からないが、年齢に関してはどうしても高齢者が多いのはやむを得ないというか。さっき言ったような、外で寝てしまったとかという場合でも、若い方だとなかなかそうはならないことが多いようなので、高齢に偏る可能性は十分にあると思う。それはなかなかコントロールしづらい部分なので、今回だと年齢というファクターも含めた解析を行いたいと思っている。男女差に関しても同じである。この60人のスタディでいろいろなことが分かってくる兆しがあれば、規模を拡大していこうということは(共同研究機関に)話ししており、その際にもう少し年齢のばらつきであるとか男女のばらつきであるとかというものは、解消できる可能性はあるかと思っている。

★ インフォームドコンセントの同意書を拝読して、「はじめに」の部分の8行目に1文字だけ脱字があった。あと、血液の採取のところで、新たに血液を研究のために取るのではないという部分が太字で書かれていて、こういうのは非常に分かりやすいと思ったので、他の項目のところでも、そういう趣旨が書かれている部分だけ、太字にされたら、非常に伝わりやすくなるなというふうに感じた。

★ 回復期の測定のポイントというのはワンポイントなのか。こういう低体温の回復というのはどんなふうに回復していくのかということと、タイムコースで何ポイントか取らなくても大丈夫かと。

説明者: 研究者としては、それこそタイムコースで全データが欲しいと思うのだけれども、やはり病院側の負担であるとか患者さんの負担を考えると。伺ったところによると、よほど重症でない限り、入院されたときに低体温と診断された後に一生懸命温めて、大体3日後とかには普通の体温には戻られる。その時点で採血を行って大丈夫だったら帰すというパターンが一番多いらしい。そういうパターンだと、2回しか多分採血をしないというのがあるので、それをベースに考えている。なかなか意識が回復しない場合というのは、長引く理由が低体温ではなくて元々の持病の悪化であるとかそういったことになってくる。体温自体はいくら長期化しても3日後ぐらいに復温していない方はまずないと。なので、入院時と回復時の2点でいこうというふうに、先方と議論して決めた。

委員長: (説明文書の)下から6、7行目に「数百種類存在する代謝産物」とあるのだけれども、これは分かるのか、一般の人は。

説明者: 注釈を付けるとかというのはいかがか。

委員長: いいかもしれない。

説明者: 承知した。

委員長: 次、「また、特定の重症患者さんに対して」、これは多分、文脈からいくと、さまざまな病気に対しての、なので「特定の」ではなくて「また、さまざまな病気における重症患者さんに対して」という方が、自然なのではないかと思った。

説明者: 承知した。

委員長: 下から2行目。「品質を改善する」とあるのだが、これは品質というのか?医療的に。

説明者: 治療効果、ではいかがか。

委員長: もしかするとベターな表現が。「体温管理療法のより良い方法を見出すことを目指します」とかでもいいのではないか。

説明者: 承知した。

委員長: 次の次のページ。太字の「通常の採血で得られる」と。「通常の検査のための採血で得られる」というふうに言う方が。よく医学系では、「検査のための」とか「治療のための」とか、臨床医学的目的であるということを言うので。

説明者: 承知した。

委員長: 27ページの「知的財産権の取り扱い」で、「苦労に報いる」というのがちょっと。

★ 苦労ではなく、「努力に」というのは、よく使う。

説明者: 承知した。

委員長: 同意書のところで、よくやるのは、全ての項目に箱(チェックボックス)を作っておいて、説明しながらドクターの方がチェック、チェック・・。(順にチェックを)やっていくだけでも、ご本人はそこに目を向けて見られるし、その方が丁寧かなと。これもマストではないのだけれども。

説明者: 承知した。

委員長: 最後、同意の撤回なのだが、これは個人に戻せないものだと撤回しないと、どこかに(記載が)あるか?

説明者: そうである。公開を既にされているものの場合という。

委員長: それを入れておいた方がいいのかなと思ったのだけれども。

説明者: なるほど。

委員長: 「今後使用しないようにお願いします」。「ただし、個人が同定できないようにして公開されたものについてはその限りでないことを理解しています」とか、「撤回できないことを理解しています」とか。

説明者: 確かに。

委員長: 撤回できないデータというのが、研究が進んだ段階では出てくると思うので。

説明者: 承知した。

★ 26ページの「◆研究の公開について」の最初の段落の3行目の「直接特定する情報は」というこの「直接」は、ない方がいいのではないかと思う。何か間接的に三つぐらいの情報をつないだら特定されるということなのか?みたいな読み方ができなくもないので、「あなたが誰であるかを特定する情報が含まれることのないよう」と、「直接」を削除されてはいかがか。

説明者: 承知した。

委員長: 他に質問は。それでは、砂川先生、待機室に移動していただく。

―説明者退出後、審議が行われた―

委員長: 皆さま、いかがか。研究の意義の部分も、今後の展開に向けた委員会からの希望、期待、そして具体的な説明文書、同意文書、同意撤回書に関する指摘もしたので、取り入れると、承認できる計画になると私は思う。もしよろしければ挙手で、修正の上で承認するのだけれども、これは一応継続という形で、修正された段階で委員長が預かってそこで承認するので?条件付き承認ではなくて。

事務局: 継続ということで、委員長の確認をもって確定、そして承認ということで。

―全員挙手―

委員長: ありがとうございます。

 

8. その他
 

委員長から、仮名加工情報及び匿名加工情報についての話題提供があった。また、事務局より、次回委員会の開催予定について確認があった。

 

以上 

 

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