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No.21

第21回 神戸事業所 研究倫理第二委員会 議事要旨


1. 日時 令和元年12月4日(水)14:58~16:55
2. 場所 理化学研究所 MIR&Dセンタービル 2階 大会議室
3. 出席委員等
 
(委員)

玉木 彰 委員長 (兵庫医療大学大学院医療科学研究科 教授)
武田 真莉子 委員 (神戸学院大学薬学部 教授)
辰野 久夫 委員 (辰野・尾崎・藤井法律事務所 弁護士)
中村 通子 委員 (朝日新聞岡山総局津山支局 支局長)
西口 修平 委員 (兵庫医科大学内科学 教授)
古屋敷 智之 委員 (神戸大学大学院医学研究科薬理学分野 教授)
片岡 洋祐 委員 (生命機能科学研究センター 細胞機能評価研究チーム チームリーダー)

   
(説明者) 水野 敬
(生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム/健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム・健康計測解析チーム 上級研究員/チームリーダー)
森戸 勇介(理研BDR-ダイキン工業連携セー 健康指標ユニット 研究員)
   
(オブザーバー) 小川 壮 (神戸事業所長)
(事務局)

吉識 肇 (神戸事業所 安全管理室長)
高橋 一樹 (神戸事業所 安全管理室)
菊地 真 (神戸事業所 安全管理室)
北澤 泰二 (神戸事業所 安全管理室)

4. 議事項目
 

(1)平成30年度研究実施報告について(報告)
(2)審査を経ずに承認した申請について(報告)
(3)研究倫理第二委員会運営規則の改正について
(4)人を対象としたMRI研究課題(変更)及び人を対象とした研究課題(新規)に関わる審査
(5)その他

5. 報告事事項
 

・平成30年度の研究実施報告について

事務局より平成30年度の研究実施報告書の内容について報告があり、研究結果及び進捗状況を確認した。

・審査を経ずに承認した申請について

事務局より前回の委員会(7月31日開催)以降に委員会の審査を経ずに承認した2課題について報告があった。

6. 審議事項
 

1)研究倫理第二委員会運営規則の改正について

事務局より、研究倫理第二委員会運営規則の改正の内容について説明があり、改正箇所を確認の上、これを了承した。

 

2)人を対象としたMRI研究課題(変更)

受付番号:K2019-041
     「fMRIによる小児疾患の疲労定量評価法の開発」
研究実施責任者:BDR 健康・病態科学研究チーム 水野 敬

【概要】
研究実施責任者の水野研究員より、本研究計画の変更内容(研究予定期間の延長、選択基準の変更、対象と人数の変更等)について説明があり、質疑応答の後、審議が行われた。審議にて変更内容に特に問題がないことを確認後適正と判断された。

質疑応答及び審議等詳細は以下のとおり

★ 研究期間が1年延びたということで、その中で、n数を増やされているが、この疲労児50人などは確保できるものなのか。

説明者: 30~40%ぐらいで、この16点※(※16点以上で疲労児と判断)を超えてくる方がいる。

★それでは比較的楽に集めることは可能なのか。

説明者:はい。16点を超えてくる方というのは、年々増えている傾向があり、この16点という基準を設けた論文も2009年に出したもので、その当時の子どもたちを基準に作られたものではあるが、今、疲労児に含まれる子どもがすごく増えているという背景がある。残念ながら比較的集まるということである。

【審議】
説明者退席後、審議が行われた

委員長: いかがか。適正と判断してよろしいか。それでは、「適正と判断する」ということで答申したいと思う。

 

3)人を対象としたMRI研究課題(変更)

受付番号:K2019-042
     「個別健康最大化のための健康指標開発研究」
研究実施責任者:RCH 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム 渡辺 恭良

【概要】
説明者の水野研究員より、本研究計画の変更内容(関連する研究課題の追加、研究資金の調達方法の追加等)について説明があり、特に委員から質問はなかったため、審議が行われた。審議にて変更内容に特に問題がないことを確認後適正と判断された。

質疑応答及び審議等詳細は以下のとおり

委員長: 何か質問やご意見は。それでは審議に入るので、退席をお願いする。

【審議】
説明者退席後、審議が行われた

委員長: 修正箇所を説明いただいたが、非常に軽微な修正ということで、審査の結果は「適正と判断する」でよろしいか。では、そのように答申したいと思う。

 

4)人を対象とした研究課題(新規)

受付番号:K2019-044
     「心拍変動解析による疲労評価技術の開発」
研究実施責任者:BDR 健康指標ユニット 森戸 勇介

【概要】
研究実施責任者の森戸研究員より、本研究計画の項目に沿って説明があり、質疑応答の後、審議が行われた。審議にて変更内容に特に問題がないことを確認後適正と判断された。 質疑応答及び審議等詳細は以下のとおり

★ ホルター心電図を1日24時間付けるだけで、相当なストレスかと。(被験者にとって)30日間というのはどの程度の侵襲なのか。ホルター心電図を付けられたのと、この機械との侵襲の差というのは。

説明者: こちらについては2カ所に付けるタイプのもので、パッチ式のものを使って、ぺたりと胸に2枚のシールを貼る。

★ そうしたら、ホルター心電図とほとんど一緒か。

説明者: ほとんど同じである。先行研究でも、30日や1週間というものがあるが、違和感があって、負担が大きいと感じているので、連続して付けるのは例えば2日までという形で、間に休憩日を入れて。

★ 入浴中は外すのか。

説明者: そうである。

★ ホルター心電図などでは入浴できるものもあるが。

説明者: 防水性のものもあるが、今回の研究は大規模な計測を予定しており、防水型のものとすると、費用面で間に合わなくなるので、入浴中は外していただく簡易的なものとした。

★ ご自身も付けているという心電図だが、長期に付けていると、かぶれたりするかと思うが、何か特別な新しいタイプのものか。

説明者: パッチもいろいろと試しているが、24時間計測用のホルター電極というのが、比較的ましで、少なくとも1日、2日付けたぐらいでは、大きな負担はないと感じる。むしろずっと付けているという感覚、何かがあるという違和感の方がストレスに感じてしまったりする。

★ これは例えば1カ月の間で「皮膚がこうなってきたのですけれども」ということを相談できるチャンスはあるのか。

説明者: 被験者には、連絡先をお伝えして、何かがあってからでは遅いので、何か違和感を覚えたら気軽に相談してもらって、例えば「外したら、皮膚に変な跡がついている」という場合でもすぐに試験の中止を含めて検討するという形で調整していく予定になっている。

★ それは研究者がされるのか。あるいは医療関係の方が担当するのか。

説明者: 研究者が担当する。

委員長: 除外基準には「皮膚の弱い方」などが書かれている。

説明者: 事前にその疾患の経験がある方等であれば、もうあらかじめそういう被験者は外して、その上で進めていく予定となっている。

★ この心電図は1週間のデータが内蔵できるということであるが、データは、自分でUSBを挿して、通信して、理研に送るのか。

説明者: 考え中であるが、1週間ごとに郵送し、機械ごと交代して替えていくことを考えている。また、非計測日、休憩期間を置き、そこで交代できるように併せて考えている。

★ このウェブ日誌が、説明を聞いたら存外大変そうだが、これは例えば本を読むときに、読書開始というボタンを押して、5分後に電話かかってきたら、立ち上がって、ボタンを切ってというようにするということなのか。どこまで細かくするのか。

説明者: そこまで細かくデータを取るのはやはり難しいと元々考えていて、一番欲しいところとしては、勤務の前後と食事の有無、入浴、睡眠の起床と就寝が最低限欲しいところだと考えている。それ以外の部分は被験者にはできるだけ入れてほしいとお伝えしているが、そこまで厳密にしなくても。  あと、例えば知り合いの方と飲み会に行くということもあると思う。その場合は例えば食事と飲酒と雑談を全て同時にオンできるようになっていて、そうするとこの期間は三つ同時にやっているということがまとめて確認できる。

★ 例えば午前2時ぐらいまで飲んでいたとか、そういうことが把握されてしまうということか。

説明者: そうである。事前に被験者の募集のときに、これぐらい細かく取るので、そういうものを知られてもいい方というか、そういうことが取られるという説明を行った上で参加していただくという流れになっている。

★ 同意書で、ここの計測がすごくあっさり書かれているが、それはかなり説明するのか。そうしたら、逆に品行方正な人ばかりが集まるというバイアスが掛かったりはしないか。

説明者: それはあり得る。確かに品行方正な人たちだけが集まってしまう可能性はある。

★ もう一つ、これは150人を対象にされているということで、女性と男性というところも考えているのか。

説明者: 女性と男性を合わせて考えている。

★ 女性だと、冬は使えるかもしれないが、季節によっては使いにくい機械である。

説明者: そうである。そこはもう被験者と予定を調整して、それこそ極端な話、間を1週間空けて休みを設けてしまって、その前後で1週間ずつ取るということもある。研究データとしてやはり全て連続した変動を見られるのが一番の理想であるが、まずは24時間ごとに区切って、平日で何日・休日で何日という形でイベントや疲労・健康状態の比較を行おうと考えている。

★ これは、理研側の研究資金と**の共同研究費が入っているプロジェクトだと理解しているが、今回の結果を取るに当たって**の商品を特に使っているということではないか。

説明者: 今回は**の商品を全く使っていない。

★ もし**が作った製品の評価が今回の研究の中で行われる可能性がある場合は、**の研究者とこの研究の成果が利益相反を持つ。この研究については、**の製品の評価に直結するような解析は現時点では入っていないという理解でよいか。

説明者: そうである。検査機器も全て一般の市販のもので、**が作ったものではないものを使っている。

【審議】
説明者退席後、審議が行われた

委員長: 先ほどの記録も大変であるし、ホルター心電図の問題などもあるがいかがか。倫理的に判断するということになるが。

★ ずっとホルターのような形で30日間、心電図を見ていて、RRしか見ないと言っているが、例えばすごく不整脈のような傾向とか、そういう病的な所見が出てきたときにはどうするのか。診断しなくても、あからさまに何か妙な心臓の動きで、それは病院へ行ってちゃんとした心電図を取ってもらった方がいいようなものでも、それを黙っておいていいのか。

★ 今まで頭の画像もよくここで審議されて、それは研究に携わっている医師が必ずいるので、医師の倫理的な判断で、基本的には言うと思う。これは実際にあったのだが、血液検査をしていて、基本的には研究目的なので、ご本人にどういう病気かということは返さないが、やはり大きな異常値があったときには、ご本人にお電話をして、「一回、近くのお医者さんに行ってください」とお伝えして。それで実際に行かれて、問題なかったということもあった。

★ 明記されていなくても、あまりにこれはどうかというものがあったら、基本は電話がかかってくるという感じであるのか。

★ そうである。基本的にはその関係の医師から連絡をしているようである。

委員長: 審査結果についてはいかがか。

★ 適正ではないか。

★ 適正である。

委員長: 適正と判断するということでよろしいか。ありがとうございました。

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