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No.13

第13回 神戸事業所 研究倫理第二委員会 議事要旨

1. 日時 平成29年8月16日(水)15:00~17:00
2. 場所 理化学研究所 
   ライフサイエンス技術基盤研究センター 大会議室
3. 出席委員等
 
(委員)

雪村 時人 委員長(大阪大谷大学薬学部 教授)
辰野 久夫 委員(辰野・尾崎・藤井法律事務所 弁護士)
塩見 進  委員(大阪市立大学大学院医学研究科 教授)
西口 修平 委員(兵庫医科大学内科学 教授)
中村 通子 委員(朝日新聞岡山総局 記者)
片岡 洋祐 委員(ライフサイエンス技術基盤研究センター
          細胞機能評価研究チーム チームリーダー)

(説明者)

佐々木 章宏(ライフサイエンス技術基盤研究センター
       健康・病態科学研究チーム 研究員)
山野 恵美 (ライフサイエンス技術基盤研究センター
       健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム
       新規計測開発チーム 研究員)
渡辺 恭良 (ライフサイエンス技術基盤研究センター センター長
      /健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム
       融合研究推進グループ グループディレクター)

(オブザーバー)

深井 宏  (神戸事業所長)

(事務局)

片山 敦   (神戸事業所 安全管理室長)
菊地 真   (神戸事業所 安全管理室)
堀江 仁一郎 (神戸事業所 安全管理室)
吉田 道生   (神戸事業所 安全管理室)

4. 議事項目
 

(1)変更申請(責任者の所属・職名変更)承認の報告について
(2)改正指針確認状況について(報告)
(3)人を対象としたMRI・PET研究計画に関わる審査(新規・変更)
(4)その他

5. 報告事項
 

(1)変更申請(責任者の所属・職名変更)承認の報告について

 事務局より、研究計画1課題について、人を対象とする研究に関する倫理規程細則に基づき、実験責任者の変更に係る承認手続きを実施した旨の報告があった。

(2)改正指針確認状況について(報告)

 事務局より、個人情報保護法の改正に伴う医学系研究指針等の改正による研究計画の確認状況等について、指針改正に対応した見直しならびに研究計画に係るオプトアウト及び公開の実施等に関する報告があった。

質疑応答等詳細は以下のとおり

委員長: 拒否をしたい人は、このホームページにアクセスして、どのようなアクションを取ればいいのか。
事務局: 公開してある連絡先に連絡し、例えば提供した試料については、やはり他の機関等で使われるのは止めたいといった問い合わせに関して対応することになる。

 

6. 審議事項
 

1) 人を対象としたMRI研究計画に関わる審査(変更)

受付番号:

KOBE-IRB-17-22
  「fMRIによる小児疾患の疲労定量評価法の開発」
実験責任者:

CLST健康・病態科学研究チーム 水野 敬

【概要】
 研究実施者の佐々木研究員より、本研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行われた。審議では、偶発的所見の取扱い及び対象年齢の変更等について議論が行われ、計画書の修正及び説明同意文書の修正等について、共同研究機関へ検討を依頼することをコメントとして付した上で承認とされた。

質疑応答等詳細は以下のとおり

★ 対象年齢を18歳に上げた理由はなにか。
説明者: 一つは多くのデータを集めていく段階で、小学校・中学校と行い、さらに年代が上がったときに、どのように発達的に変化していくのかを見てみたいということで、そういった変化を追うことにも関心を持って進めたいと思っている。
★ 対象者が少ないため、年齢幅を増やして数を増やそうというわけではないのか。
説明者: 多少その部分はある。
★ 発達段階の変化を見るということか。
説明者: そうである。
★ 成人と高校生ぐらいというのは違いがあると考えておられるのか。
説明者: そこははっきりと答えるのは難しいところであるが、18歳、高校生年代だと、まだこれから伸びていく部分もあると思うため、恐らく何か変わってくる。あるいは、その変化がサチュレーションしてくるといったところが見られると面白いのではないかと考えている。
★ 人によって発達が全然違う年代であり、個人差はすごくあるのではないかと。
説明者: それはあり得ると思うため、この研究の枠組みの中で、どれぐらいの被験者の数が取れてくるかというのは未知数な部分はあるが、できる限りたくさんのデータを取って解析を行っていきたいと思っている。
★ この研究は、これで終わりになるのだろうと思うが、例えば同じ人を10年後ぐらいに完全に成人になってから、疲労しやすいといった若者が、10年後それが継続しているのかどうかという研究をされるつもりはあるのか。
説明者: 非情に興味があるところで、いいアイデアを頂いたと思うため、今後検討させていただきたい。
★ いつから決まっているのか。
説明者: 「疲れた」という概念を、まず小さい子どもが持っているかというのも実際難しいところである。我々がこういう試験をするときに、「疲れの具合はどうですか」といった主観的なアンケートを取る。ビジュアルアナログスケールといい、線分上に、今の疲れがどれぐらいという線を引いてもらうのだが、まずその「疲れ」という言葉を説明するところが結構難しかったりする。そこが実は分かっているのか。小学生ぐらいの子というのは、「疲れた」という言葉がどういう体の状態なのかというのが、どれぐらいからはっきり自覚するのかというのは、非常に興味深いところである。
★ 機能的MRIに比べ、通常のMRI構造画像は、比較的異常がはっきり写る可能性があると思うが、解析結果等の開示というのは、基本的には本人には開示しない、希望者には希望に応じて開示するとなっている。異常が見つかったときについては、よく議論になるのだが、そのことが表現されている文面というのはどこかにあるか。
説明者: 今回追加しているこの形態画像というのも、もともとfMRI試験の中で撮影する我々の解析のときに、機能的MRIの画像では空間的な解像度がぼやっとしていたため、位置合わせと言い、解剖学的にどこの場所が活動しているのかを評価するためには脳の形態画像を撮らないといけないため、その画像と全く同じものを撮っている。したがって、ここで形態画像を追加すると書いてあるが、もともとこのfMRI試験の中でも実際は撮っている画像になる。そこで注意する点は、形態T1の画像とT2の画像を今回撮影するが、通常の臨床など検査で使われているT1画像はほとんど使われないことが多い。成人の方で、血管などを撮るような撮影は今回行わない。そういった観点から、今回撮る画像というのが、基本的にはそういった臨床の疾患を評価するような画像として適したものではない可能性がある。明示的には書けないのかもしれないが、そういった観点から、希望者に対して開示するという形で、過去の研究その他の研究も、多くはそういう形で進めている。
委員長: 開示するというのは画像を渡すということか。
説明者: そうである。
委員長: 画像の診断はつけないのか。
説明者: 診断をつけることはできない。それは行わないというスタンスでやっている。
★ 両親からすると、非常に興味あるのではないか。その画像を持って専門の先生にとか。
説明者: それはここでやっている試験でも同様であり、一般の方からすると、その自分の画像が実際どうなっているのかというのは関心を持たれている。ただ、ここの場合は特にそういった診断はできないということと、K大学でもそこの仕組みづくりは今後必要になってくるのかもしれないが、今の段階ではそういった診断をつけてデータを返すようなことはしておらず、それはしないというスタンスで進めさせてもらっている。
委員長: できるだけ本人あるいは親御さんに期待を持たせないような説明が必要なのであろう。これでもし異常があれば、何かが分かるというものではないということで、問題はないと思うが。
★ 説明文書のところで、MRIを使った検査は1時間未満で、余裕を見て45分程度。これは行動試験としてのMRI検査だと思うが、次のfMRI試験のときもMRIを使うわけか。それを合わせて1時間未満で終わるのか。
説明者: この説明文書の方は、行動試験用の説明文書ということで使っているものである。また、K大学でfMRIの課題を使ったMRIの検査の場合は、別の説明文書を使って実施している。もう一つは、同じ日にfMRIの試験と、今回のこの行動試験の位置付けとしてのMRI試験を実施することにはしていない。実施するとしたら、別の日程等でするような形で予定しているため、1日のMRIの計測時間としては1時間以内で、この行動試験のMRIの方は実施するという予定になっている。
★ fMRI試験についての説明文書と同意の点は、この倫理委員会にかけなくても構わないのか。
説明者: fMRIに関しては、既にこちらでは申請をさせていただいており、今回は行動試験のところにMRIの内容を追加する。
★ 追加するというだけのことで。もともとセットで説明されて同意を求めるわけか。それとも一つずつか。
説明者: 一つずつ実施する予定である。
★ 行動試験はOKだが、fMRIはノーという方もおられるのか。
説明者: あり得ると思う。その場合は行動試験のところだけ参加いただくという形になるかと思う。
オブザーバー: 高校生が入ってきたことから、表現の細かいところを全て変えていかなければいけないところが直っていない。例えば研究計画の背景のところで、小学校と中学校の疲労状態しか書いておらず、高校が大体、三十数%、1カ月以上続く疲労であること、それから「ヒト由来試料等/被験者を用いる研究を行う必然性」のところで、健常小中学生だけが書いてあるためここは直さなければいけないと思う。全体的に高校生を入れたために、細かく見ていくと、結構小中学生に特化した表現が残っており、片方で小児疾患という言葉が出てきているため、その辺を統一的に、言葉をこちらでちゃんと書いて、委員長に見ていただくようにしたいと思う。説明同意文書も、やはり小中学生だけでは駄目であり、どういった文面にするのかであるが、何か少し考えることで。
説明者: 了解した。
委員長: 高校生向けの同意文書を追加していただくということと、小中学生と書いてあるところを小中高生にするということと、小児疾患の小児疾患に加えて、高校生を対象にした表現に。高校生向け同意文書を付けていただけるのであれば、プロトコルの中にfMRIの試験もあるため、そちらの同意文書も付けておいていただけるか。
説明者: 了解した。

【審議】
説明者等退席後、審査が行われた。

委員長: 幾つかの点をご指摘いただいたが、他になければ、今指摘の点を変えていただくということで、承認ということでよろしいか。
事務局: 承認条件の内容としては、変更内容、研究計画書及び説明同意文書への適正な修正内容の再検討という形で条件としてはまとめさせていただくということでよろしいか。
委員長: 条件付き承認ということで、私が確認するということでよろしいか。

 

2) 人を対象としたPET研究計画に関わる審査(変更)

受付番号:

KOBE-IRB-17-23
  「健康から疾患までの過程(未病状態を含む)へのバイオマーカー探索とそれによる先制医療推進プログラムの醸成」
研究実施責任者:

ライフサイエンス技術基盤研究センター 渡辺 恭良

【概要】
 研究実施者の山野研究員より、本研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行われ、説明文書について誤字修正及び記述の主旨を共同研究機関に確認することをコメントとして付した上で承認とされた。

質疑応答等詳細は以下のとおり

委員長: 共同研究機関の追加の中に、リクルートを行う企業と言われたが、これは具体的にどういった企業なのか。研究機関と言えるのか。
説明者: 研究機関と言うか、被験者の募集業務も実施している機関である。
委員長: 方法の変更ということか。具体的にはどういった企業か。
説明者: 被検者のリクルートも業務の一つとして行っている受託機関である。

【審議】
説明者等退席後、審査が行われた。

委員長: 承認ということでよろしいか。製薬企業が費用を出し参加されて、この企業にとって何かメリットがあるのか。
オブザーバー: 創薬のプログラムとして、取ったデータを基に、患者を層別に神経炎症のある方をリクルートし、ある物質の活性化抑制薬を試験するという国のプログラムであり、そこにこの企業が入って一緒にやるということである。

 

3) 人を対象としたMRI研究計画に関わる審査(変更)

受付番号:

KOBE-IRB-17-24
  「脳画像データ活用による製品・サービスの評価基準の構築」
研究実施責任者:

CLST健康・病態科学研究チーム 渡辺 恭良

【概要】
 研究実施者の佐々木研究員より、本研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行われ、研究計画書及び説明文書の用語の統一を行うことをコメントとして付した上で承認とされた。
 また、申し合せ事項として、ImPACTプログラムが提案、参画する企業等に係る研究の当該研究計画において実施する場合には、研究方法等について、当該研究計画への適合性に関しては、委員長の判断により、委員長確認による承認または委員会確認による承認を得るものとし、本確認状況等については、直近の研究倫理第二委員会において報告するものとした。

質疑応答等詳細は以下のとおり

研究実施責任者: こちらから訂正をお願いしたい点として、「身体測定」という言葉と「身体計測」という言葉が二つ出てくるため、身体計測に統一する。またインフォームド・コンセントの方に「血圧」の後の「筋力」が抜けているため統一する。
★ 関連するが、身体計測の体組成というのは、一般的に分かるのか。身体計測で体組成はどのようにして測定するのか。体組成測定器のようなものがあると書いてあるのが。
説明者: 専用の測定器があり、足と両手でバーを持つような形で電極がそれぞれ付いている。手から手、手と足という形で微弱な電流を流し、体の水分量や体の脂肪量・筋力量を測っていき、それらを総称して「体組成」という形で呼んでいる。
★ 体重計のいいもの。
★ 体脂肪を測定するものか。
説明者: スポーツジム、温浴施設などによくあると思うが、そういった測定器である。
委員長: 正確なのか。
説明者: 自分で実際に測る形では再現性は非常に高い。
委員長: データの信憑性について、科学的な説明、医科学的な説明があるのか。
★ メーカーの方はブラックボックスにしており、データを出していないところがあるが、他の測定で計測すると相関性は非常にいい。ただし、私が専門としている肝硬変などになってきて浮腫が出てくると、例えば筋肉量や脂肪量などが相当いい加減になってくるが、一般人ではかなり正確だろうと言われている。
委員長: あの機械は信憑性について、どこからもこれが正しいというような説明を今まで受けたことがないため、本当にこの体組成をきちんと表しているのかどうかということである。この体組成計を使って測定したデータが、例えば医学論文に出ているといったことが何もない。
説明者: 我々が使っている装置を実際に論文で検索すると、何件かやはりパブリッシュされているものはある。
★ 医療機器なのか。
説明者: 医療機器ではない。
★ スポーツジムに置いているのは、どのレベルのものか分からないが、何を使われるのか。
説明者: 割と上位の機種になっている。
実験責任者: 医療関係者が身体計測でこの5項目を書いてあると、身体計測なのかと思うため、少し抵抗はあるが、一般の人が見た場合にこれを全部くくって何計測と言うかというと、身体計測ぐらいの方が分かりやすくていいのかと。本当は筋力の計測も含めて、血圧を身体計測とは言わない。
★ 今回、脳構造というのが一番メーンなのかと想像はしているが、そのときに脳梗塞があったというときに、例えば体組成とか体重とかが大きく変わっていたら、当然そういう脳構造も。何か食事に介入したときに、その前後で体組成はあまり変化がないが、脳構造がこうであったといったことをもしかしたら言われたいのかなと思って読んでいたが。例えば、これを食べたから体組成が変わったと、1回測定してみてというのは、確かにいろいろな意見があり、難しいかもしれないと思うが、むしろコントロール実験的な扱いなのかと思ってお聞きしていたが。
説明者: そうである。一つは、この研究は、4月の変更申請の際に、リサーチコンプレックスとも連携して進めていくということで新たに進めているものである。そちらでの健康指標づくりというところでも、この身体計測のデータを使っていきたいと思っている。言われるように、例えば夏場の試験であると、やはり発汗量が春と夏とでは変わってきて、随分体重が変わったり、何かイベント事があると、体の状態は変わりやすいと思う。そういったものを前後でちゃんと担保できているということを保証する上でも、こういったデータは必要かと思っている。
★ 計画書中に「・」が2個とか1個とか付いているがこれは何か。
説明者: 要配慮すべき個人情報ということで、マークを付けている。
★ この企業がやっているフルーツの種の抽出物の研究で、一般人として気になったのは、これを1カ月飲み続けたぐらいで、脳の体積が変わるほどの変化というのは、30日ぐらいで起きるほど薬理効果が高いのか。変化というのは30日で見られるものなのか。
研究実施責任者: 内閣府でこれに関して委員会が議論しているところである。ただ、BHQチャレンジというのは、既に今年で3年目で、毎回6個ぐらいの課題があり、その中でデータが、統計的に有意に出るというのがいくつかある。もう一つは、FA-BHQと言って、線維の走行というか、太さであったり機能、そういう電線の機能と言った方がいいかもしれないが、そちらの方がまた改善するものもあり、結構シュリンクしたり、動いてはいる。それが年によってどんどんどんどん減っていく。1カ月でそんなに見えるかと思われると思うが、結構動いており、そこで統計的有意にgrey matter(灰白質)が減っていかないという結果が出ているものが幾つか製品の中である。募集をして、こういう試験をMRIを使って何人かずつやっていくが、結局前後2カ月ぐらいかかる。できれば12月ぐらいまでに試験が終わり、発表に持っていきたいという考えであるが、なかなかその4カ月は取れない。しかし、今、委員会でやっているのは、ImPACTプログラムは年度で動いているため、成果は出さなければいけないが、もっと長期でやった方がいいのではないかという話は、今ようやく出てきている。
★ 有意差を出そうと思うと、短い期間であればもっとNを増やすとかしなければと思うが、Nも小さいし、30日だとどうかと思った。
★ データ解析は、企業は入っていないのか。
説明者: 入っていない。データ解析は理研でやるもの、ImPACTの事務局の方で、実際に参画している研究機関にデータを分けて、そこで解析をする。
★ 投与群と、いわゆる実薬とプラセボに関しては、解析するときにはブラインドになっているのか。
説明者: このチャレンジの試験に関しては、基本的には前後比較だけであり、単群の実験になっている。
★ 単群でプラセボは置かないのか。
説明者: そうである。
★ プラセボを置かないと、多分効果としては信憑性が半減する。
説明者: 言われるとおりである。我々も提案しているところであるが、期間的な問題が。
★ できればその統計解析も別機関で、解析データを全くブラインドにされて、別機関の解析をしてデータを出されればどこも何も言えなくなると思うが。
説明者: 言われるとおりである。
研究実施責任者: 今、委員会でやっているのは、言われたようなことをちゃんとやろうと変えようとしている。
★ ネガティブも発表されているのか。
研究実施責任者: ネガティブも全部発表する。
委員長: パイロット試験としては幾つかの試験を比較することで効果が際立つことが、ある意味で科学性が少しは。普通のオープン試験ではほとんどないが。パイロット試験という位置付けであれば、非常に意味のあることだと思う。
説明者: 今回、変更のポイントは、この企業のものが一つの例であり、今後どれぐらいの件数が出てくるのか分からないが、こういった取り組みというのを実施する予定があるということで、申請している次第である。
★ 説明文書中の知的財産権の記載内容だが、タイトルは知的財産権になっていないが、中身は財産権で、表現方法が完全に同じではなかったり、または利益相反のことも、前の審議資料では触れていて、このあたりは、統一的な表現というのは特に設けられていないのか。
研究実施責任者: この資料は、主にO大の倫理委員会の書式でこれを作ってきており、それと全く同一のものをこちらに持ってきている。第3弾目のものはこちらで、理研としての今までの表現方法を雛型にして作っているため、こういう齟齬が生じる。ただ、O大の書類の書式は、表現はあまり変えられない。
★ 内容的には、知的財産権はあなたにはないということが書いており、ここは問題ないが、審議資料2の方が結構詳しくて、ある意味で分かりやすい。O大では、この利益相反マネジメント委員会というのが、また別途あるわけか。
研究実施責任者: そうである。
委員長: 他の研究でも大体同じ表現を使われるが。
説明者: 同意書そのものは、この研究課題で統一的に使っているものであり、この企業の課題に対してのみ使っているものではない。
委員長: これからまだ同じようなものがこの委員会にくるわけか。
説明者: そうである。

【審議】
説明者等退席後、審査が行われた。

委員長: 他になければ、特段の異議がなかったため承認ということでよろしいか。
事務局: 1点事務局から提案させていただきたい。今回、このImPACTの計画に関しては企業が参加され、実施内容の項目、について既存の計画の方に具体的な記載がなかったということで、委員会で審議いただいた。過去にも1、2回実施しているが、既に承認いただいている計画の範囲内で実施できるものであり、参加企業は、ImPACTが提案する内容について参加されるという形での追加を、委員長にご確認いただいき、幾つか認めていただいているケースがある。そういう手続きに関しては、委員会において明確なコンセンサスを文書で得ておくことが望ましいことから、委員会としてのコメントとして、「ImPACTプログラムが提案し参画する企業に係る研究に関し、当該研究計画において実施する場合には、研究方法等について、当該研究課題への適合性に関しては、委員長の判断により委員長確認による承認、または委員会確認による承認を得ること。前記による確認状況等については、直近の委員会において報告する。」という形で、委員会としてのコンセンサスを得させていただければ、今後そういう形で正式な運用ができるかと思うが、いかがか。
委員長: よろしいか。委員長確認をしたら、次の委員会で確認するということか。
事務局: そうである。まずは委員長の判断で、この計画の範囲内であるため認めるという場合と、一部、変更等が生じて委員会に確認いただいた方がいいということを判断していただいた上で、執った処置について次回の委員会で報告するという形である。
委員長: そういうことでよろしいか。
★ あらためて見直しをして、説明同意文書中の二つの項目が内容的に重複している。趣旨はほとんど一緒である。
委員長: これは完全に重なっている。
★ 7項は「研究遂行者に属し」で、5項は「研究者もしくは所属する研究機関および理化学研究所に」と、より詳しく正確になっており、そうであれば、7項をこのように変えられた方がいいのかもしれない。
委員長: 言われるとおりである。全部で四つ文章があるが、二つの文章、「権利がありません」までのところは削除し、第7項に移すということでお願いしたい。
事務局: これはO大のI.C.だと思うが、修正が可能なものになるか。本委員会としては、修正すべき点があるという旨のコメントという形で取りまとめさせていただいてよろしいか。
委員長: O大も何か別に考えがあってか。
★ O大の倫理委員会の委員もやっていたことがあるが、そのときにこの項目に関しては、金銭的な問題を述べる、6番に関しては、知的財産権が生じるが、その知的財産権にはあなたは関わらないよという権利関係を述べるということで、使い分けをして文章としては書いていたはずである。
委員長: 承知の上ということか。
★ その辺の趣旨が分からずに書いてしまっていたため、両方同じ文章を書き、くどくなってしまっている。権利はあなたにはないのですよというのが7番である。確か最初に決めたころは、そういう趣旨で。
委員長: 了解した。O大の事務局に照会していただき、そちらに合わせるということで。
事務局: コメントとして「説明文書の内容の趣旨を確認いただく」とする。
委員長: そのように。

 

4) 人を対象としたMRI研究計画に関わる審査(変更)

受付番号:

KOBE-IRB-17-25
  「個別健康最大化のための健康指標開発研究」
研究実施責任者:

健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム 渡辺 恭良

【概要】
 研究実施責任者の渡辺プログラムディレクターより、本研究計画の変更内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行われ、研究計画書及び説明文書について、記述の整理を行うことをコメントとして付した上で承認とされた。
 また、申し合せ事項として、リサーチコンプレックス参画機関等が提案する研究に関し、当該研究計画において実施する場合には、研究方法等の当該研究計画への適合性に関しては、委員長の判断により、委員長確認による承認または委員会確認による承認を得るものとし、本確認状況等については、直近の研究倫理第二委員会において報告するものとした。

質疑応答等詳細は以下のとおり

委員長: 共同研究機関が増え、さらにそれが増える可能性があるということを踏まえて、測定項目が追加されたということか。追加的基準も幅広くなり、それに伴って実施場所が追加されたということで、よりこのリサーチ全体が大きく立体的になってきているという印象である。
★ 紫外線の測定というところは、多分紫外線量の方がいいかなと。
★ 腕時計とかウェアラブルな機械を付けておき、外を歩くと自分が暴露した紫外線量が分かるということなのか。
説明者: そうである。
★ 服が上にかぶさっていたりしても大丈夫なのか。
説明者: かぶさるとその部分のデータは取れない。皆さんにそういうインストラクション、このように付けてくださいということは書く。ただし、いろいろな問題があり、実際によく日傘を使われる方など、なかなか難しい。
★ 用語の問題であるが、生活習慣のところで、この既往歴・現病歴、服薬歴で、服薬歴という場合は、現在飲んでいる薬も入るわけか。既往歴と現病歴が入っていないが、これは当然入れてもいいわけか。
説明者: ここは表現を統一する。
委員長: 統一をお願いする。
説明者: 正確に言うと、現病歴を入れ、服薬歴だけではなく服薬情報も入れた方がいい。運動などの生活習慣を聞く質問票はやっているため、既往歴・現病歴・服薬歴・服薬情報・業務歴・自他覚症状等、生活習慣等などに関連した質問票に回答していただくというのがいいか。
委員長: そう思う。
★ 前回でも議論になったが、「生き活き」のこの字をどうするのか。
説明者: 前回そういう話であったため、小学生のところだけ、造語は使わないということに。
★ 了解した。
★ 子ども向けには平仮名で「いきいき」の方が易しいかもしれない。
委員長: ご検討いただきたい。
★ 匿名化しても個人が特定できる情報が今回加わっている。例えば顔画像等。「当該情報については理研外への持ち出しは行わず、共同研究機関が解析をする場合も理研内で行う。」ということは、これは顔画像はあるということで、解析後のデータについては利用を希望する参画機関に広く提供を行うということは、要するに理研内で取り扱うとき、他の共同研究機関や企業が理研内に来られて解析しているときには、顔画像はあり、個人は分かるということか。
説明者: そうである。ここはもう少し厳密に書くとすると、「理研の身分を持った方」ということを書かなければいけないか。共同研究機関でも、理研の身分、客員の身分を持った人は、理研内でデータを見ることができるようにしようという話はしている。
★ 数値データは、個人が特定できる情報は切り離した上での数値データということか。
説明者: そうである。ここはむしろ書かなくてもいいかもしれない。理研内でのみというところと、共同研究機関が資格をどのようにして取るかというところが問題であるため、検討してみる。
委員長: 検討をお願いする。

【審議】
説明者等退席後、審査が行われた。

委員長: 特段、異議もなかったため、承認ということでよろしいか。指摘のあった点については、少し工夫していただくということでお願いする。
事務局: コメントという形で、計画書及びIC記載内容の表現統一等、必要な修正を行うということでよろしいか。
委員長: そのように。
事務局: 事務局からの提案であるが、先ほどのImPACTの計画と同様で、リサーチコンプレックス参画機関等が提案する試験研究をここで行うことになるため、試験内容等を追加する場合は、その適合性に関し、委員長判断、もしくは委員会確認という形でその手続きを取りたいと思うが、よろしいか。
委員長: 先ほどと同じということか。
事務局: 同じである。
委員長: 了解いただいたということで。
事務局: 補足になるが、冒頭説明した情報のオプトアウト及び公開のホームページについて、他の計画も同じだが、今回変更あるいは新たに追加になったものについては、随時リバイズしていきたいと思う。今審議いただいたリサコンの計画に関しても、これまでは利用する者の範囲で、共同研究機関でO大学のみが入っていたが、共同研究機関としては、ここに載せる形になる。
委員長: 全体を通して何か質問、あるいは個々の点についてご質問、追加等なければ、これで閉会とさせていただきたいと思う。

 

 

以上

 

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