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No.26

第26回 神戸事業所 研究倫理第二委員会 議事要旨

 

1. 日時 令和3年2月5日(金)14:00~15:00
2. 場所 Webexを用いたオンライン開催
3. 出席委員等
 
(委員)

玉木 彰 委員長 (兵庫医療大学大学院医療科学研究科 教授)
武田 真莉子 委員 (神戸学院大学薬学部 教授)
辰野 久夫 委員 (辰野・尾崎・藤井法律事務所 弁護士)
中村 通子 委員 (朝日新聞岡山総局津山支局 支局長)
西口 修平 委員 (加納総合病院 名誉院長)
古屋敷 智之 委員 (神戸大学大学院医学研究科薬理学分野 教授)

   
(説明者)

水野 敬 (生命機能科学研究センター 健康指標ユニット ユニットリーダー)
森戸 勇介 (生命機能科学研究センター 健康指標ユニット 研究員)

   
(オブザーバー) 小川 壮 (神戸事業所長)
(事務局)

吉識 肇 (神戸事業所 安全管理室長)
高橋 一樹 (神戸事業所 安全管理室)
菊地 真 (神戸事業所 安全管理室)
北澤 泰二 (神戸事業所 安全管理室)

4. 議事項目
 

(1)審査を経ずに承認した申請について(報告)
(2)人を対象とした研究課題(新規)に関わる審査
(3)その他

5. 報告事項
 

審査を経ずに承認した申請について

事務局より、前回の委員会(12/4開催)以降に委員会の審査を経ず(規則により委員会審査対象外)に承認した変更申請1件についての報告があった。

6. 審議事項
 

1)人を対象とした研究課題(新規)
受付番号:K2020-048
「空気環境がヒトの疲労に与える影響」
実験実施責任者:健康指標ユニット 森戸勇介

【概要】
研究実施責任者の森戸研究員及び水野ユニットリーダーより、本研究計画の内容について説明があり、質疑応答の後、審議が行われた。質疑応答では試験直前であってもカフェイン摂取による影響があるのではという指摘があった。また、試験中長時間飲食制限があることに対する懸念の他、試験中におけるコロナ感染症対策について議論があった。試験直前はカフェイン含有飲料の摂取制限をすること、試験に使用する部屋は試験毎に消毒する・被験者は1名で入室すること等コロナ対策について追記することとされ、条件を満たした上で適正と判断された。

質疑応答及び審議等詳細は以下のとおり

★ 試験全体を通して、それから試験の前に、被験者の方への飲食の制限のようなものは設けないのか。

説明者: 食事の直後に試験を行うと、やはり自律神経等にも影響してくるため、初日であれば、説明時間と質問紙への記入時間があることから、そこまで強く制限することはないが、2日目以降の場合は、およそ1時間前には食事を取っていただき、その後に試験を始められるようにという計画で考えている。

★ もちろん試験中も飲食は何もしないということになるのか。

説明者: そうである。

★ コーヒーなどのカフェイン系が(試験に)影響するのではないかと思っており、どのぐらい飲まれるかにもよると思うが、体内動態を考えると、その効果は10時間ぐらい続いたりするので、そこが自律神経に影響しないのかを少し心配しているところである。

説明者: ご指摘にあったコーヒーの影響等については、かなり重要なポイントになってくるため、検討させていただきたいと思う。

委員長: 試験中は飲食しないということだが、5時間くらいかかる。食事は別として、5時間の試験の間に全く飲み物を飲まないことのリスクについて、どうお考えかをお聞きしたい。

説明者: 5時間の試験の中で、水すら取らないという前提になっているが、実際には4時間強である。それ以前の事前説明や質問紙を書くときなどにカフェインの入っていない水等であれば、摂取は可能ということになる。

委員長: 認知課題を最初に1時間、後で2時間やる。これは相当の疲労課題だと思う。もちろんリスクのない方をリクルートされてやるとは思うが、かなりの長時間にわたって水分を取らないことのリスクはゼロとは言えないと思うが、いかがか。

説明者1: 長時間の試験で水分を取らないという点については、試験の際には、事前説明や質問紙を書いている最中にカフェインの入っていない水等を飲むことは可能となっているが、疲労課題中は基本的には水分を取らない形で進めていくことを今は計画している。そのリスクについては、過去の疲労研究等でも、3~4時間ぐらいであれば(飲食なしで)やっているものも多く、(リスクは)かなり低いかと思う。ただ、やはり被験者がもう喉が渇いてつらいということがあれば、声を掛けていただいて、水を飲んでいただくということは可能なようにする。

説明者2: 抗疲労の臨床試験を総合医科学研究所と一緒に行ってきて、これまで20ぐらいのスタディを4時間の精神作業負荷、あるいは身体的疲労負荷でも同じように4時間負荷をやっている。そのときも、基本的には給水しないでいいような被験者をリクルートしている。もちろんリスクもあるので、試験途中でも、水が飲みたくなったり、体調が少し変わってきたりという方が出てくれば、その辺は無理をしないで、手を挙げてレスキューのサインを出してくださいということは事前にお伝えして、それから実験者が目視でもきちんと見ておくということを徹底して、基本的にはそういう体制でしっかりと対応したいと考えている。

委員長: つまり、被験者の方には基本的には水分は取れませんとお伝えするのか、それとも必要な場合は飲めますとお伝えするのか、どちらなのか。

説明者1: 基本的にはこの時間は途中で離席したり、水分を取ったり、他の行動は難しいとお伝えするが、ただ、今の話のように、どうしても体調の変化等があって、気分が変わってきたとか、トイレに行きたいとか、そういう場合には遠慮なく申し出てくださいというアナウンスの仕方になってしまうかと思う。

委員長: その辺がきちんとお伝えできればいいかなと思う。

★ マスクの着用については何か事前の説明・アナウンスで、「安心してください。使わなくていいですよ」とか、「使わないでください」などとお伝えするのか。

説明者1: 試験室には被験者1名しか入室できない形にしているので、被験者は基本的に試験室の中ではマスクを着けていない形で試験を行う。もちろん関係する実験者はマスクとフェースガードを着けて対応させていただく予定となっている。

★ コロナ対策をされているとは思うが、やはりこの研究計画申請書にはコロナ対策についての記載がないといけないのではないかと思う。例えばその他のところ、特記事項にそういったことを記載する必要があるのではないかと思う。
 また、作業室では研究実施者が1時間、2時間同席されるということで、フェースガードとマスクを着用されていても、もしその研究実施者が無症状感染者であった場合、被験者に感染のリスクがある。
 また、コロナ以外のことで、期間について、承認日から2023年3月末日まで約2年あるが、30名の被験者で、この試験で2年も時間が要るのだろうか。

説明者1: 試験の期間を少し長めに取ってあるのには理由があり、今回、コロナの影響により、理研側から試験を中断するようにといった通知が来ることがある。その際には試験が、例えば半年延びてしまう可能性があるので、期間を少し長めに取っている。また、もう一つの理由は、1人あたり1室で(データを)取っていくと、やはりそれだけで時間がかかってしまう。

説明者1: 次にコロナ対策について、別に理研のコロナ対策を見ている委員会があり、こちらの方にも別途、この試験についてどのような形でコロナ対策を行うのかを申請する必要がある。簡単に本試験でのコロナ対策の状況を説明させていただくと、まず被験者が来たときに簡単に体温を測る。実験者等はフェースガードとマスクを着けて、アルコール消毒も全て部屋に用意しており、事前説明のとき、もしくは被験者が試験を行う部屋においても、被験者が触れた場所や座った場所は基本的に全て入れ替えの時点でアルコール消毒を行う形となっている。このような形で、コロナ対策を並行して試験の中で進めていく。

説明者1: 作業スペースについては、広さで言うと6畳ぐらいの広さになっている。絶えず空調を回しているので、この部屋の中でも温度と湿度を一定に保ちながら換気が行われている状態となる。これは作業スペースにおいても、休憩室においても、同じ形で対応させていただく予定である。もう一つ、スタッフの同席時間が長いとリスクがあるのではないかというご指摘については、試験室にはそれぞれガラス張りの窓があるので、例えば実験者側が窓の外側、部屋の外に出ていて、そこから被験者の状態を観察することも可能となっている。

★ 倫理委員会はコロナのことは関知しなくてよいのかもしれないが、作業室が6畳ぐらいの部屋で、換気がされているとはいえ、密室であるわけであり、換気がされていればよいのかという点についてはさまざまな受け止め方がある。かつ、同じ部屋に研究実施者が2時間おられ、これは被験者からすると、換気しているとはいえ、6畳の密室に2時間にわたり閉じ込められるというのは、私はどうなのかなと思う。その状況をきちんとご説明しておかないと、試験に来ていただいて、そのような部屋にお通ししたときに、人間の心理としてそこで嫌だとはなかなか言えない。コロナへの意識というのは本当に千差万別で、各自によって違うものだから、一番神経質な方にレベルを合わせておく必要があるのではないかと思う。

説明者1: 承知した。部屋のすぐ外から見ることは可能なので、そのような形で対応させていただく。部屋の広さについては、やはり併設する香りの休憩室の方は香りを満たした状態で制御しないといけないという(実験上の)制限があり、こちらの部屋の広さを操作することは難しいが、実験者を外に出してしまうことは可能なので、そのような形で対応させていただければと思う。

委員長: 他にはいかがか。それでは審査に入りたいと思うので、説明者は退席をお願いする。

-説明者退席後、審査が行われた-

委員長: 今まで出てきたものとしては、試験前のカフェインの摂取の制限や試験中の水分摂取に関する記載、あとは一番問題になってきたのがコロナ対策に関するものである。被験者の方に説明していただくものに関する追記で、試験中の水分摂取のことやカフェインのこと等は追記していただければいいかと思うが、コロナ対策に関しても別途の審査があるようだけれども、実際に説明として追記していただいた方がよろしいか。

★ 私は追記するか、あるいは別のペーパーを用意されるか、やはり一定の配慮をしているということは、ぜひ情報共有すべきではないかと思う。

委員長: ★先生もその方向でよろしいか。

★ 休憩室、実験室ともにお一人で入っていただくという記載をどこかにしていただくと、被験者の方も安心すると思うので、そのような配慮をお願いしたいと思う。

委員長: では、その点を記載していただきながら、そのような形で実験を進めていただくという条件を満たした上で、適正と判断とするという感じになる。それでよろしいか。

★ もう1点、少し細かいが、作業室と休憩室は消毒がきちんとされているという点についても。

委員長: その辺もきちんと記載してもらってからやっていただくと。では、きっちり文章を作っていただいて、安心して研究に参加していただけるように配慮するという条件の下に適正と判断するということでよろしいか。

★ 結構である。

委員長: では、そのようにさせていただきたいと思う。

 

7. その他
 

継続申請について

事務局: その他として、議事次第では「継続申請について」となるが、今年度末で申請期限が切れる継続申請と、比較的軽微な変更申請1件について、事前に委員長に確認していただいたところ、迅速審査というご判断をいただいている。委員長には、この場で迅速審査委員2名をご指名いただければと思っている。

委員長: 誠に申し訳ないが、★先生と★先生にお願いできればと思うが、いかがか。

★ 承知した。

8. 委員の任期について
 

事務局: 皆さまの任期が今年度末で終了となっている。事務局としては引き続き2事業年度お願いしたいと思っている。

委員長: 個別に何かあれば、事務局まで。

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